前回の続きです。
今回は野村アセットの積立シミュレーションを使って資産形成プランを立ててみましょう。
つみたてシミュレーション のむラップ・ファンド|野村アセットマネジメント
前回は、老後の資金として、60歳までに5,000万円の資産を作るという目標金額を決めました。
では、30歳の自分が60歳時のこの目標金額を達成するには、毎月どのくらいの資金を積み立てて、何%の利回りで運用しなければならないのか確認してみましょう。
資産形成プランに必要な項目
資産形成プランを考える上で必要な項目は以下の4点です。
- 毎月の積立額
- 投資期間
- リターン(年率)
- 目標金額
まず、投資期間です。今回の想定は、自分の年齢が30歳で60歳時の目標金額を設定しているので、60歳-30歳で30年間になります。
次に、目標金額です。これは前編で計算した通り、5,000万円と置きます。
残りは、リターン(年率)と毎月の積立額になります。
毎月の積立額から考えてみる
毎月の積立額の限界値から考えてみます。
「バビロン、大富豪の教え」という資産形成を考える中で有名な本があります。
この中で資産形成における重要なポイントが書かれています。
その最初に、「収入の10分の1を蓄えなさい」という言葉があります。
これは、人は収入が入ってきたらあるだけ使ってしまいます。
残ったら貯蓄しようという考えでは、お金は貯まりません。
収入が入ったら、最初からその10分の1をのけておいて、残りを使いなさいということです。
現代風に言えば、毎月の給与が入ったらその10分の1を強制的に給与天引きして、積立に回せということです。
30代男性の平均年収は470万円程度で、税金、社会保険料など諸々引かれ、手取りが368万円、月30万円になるので、その10分の1ということで、月3万円になります。
先ほどの「バビロン、大富豪の教え」以下、漫画版もありるので読みやすいので、目を通しておくと資産形成のポイントがわかります。
リターン(年率)を計算してみる
資産形成を考える上で、必要な項目4つのうち、3つが揃いました。
ここでシミュレーションの出番です。
つみたてシミュレーション のむラップ・ファンド|野村アセットマネジメント
下記画像の通り、左から2番目の「必要な利回り」のタグはを選択します。
初期投資額はゼロと置き、今回わかっている必要項目の3つ(毎月積立額、投資期間、目標金額)を入力しましょう。
最後、「計算する」をポチッと押してみます。
必要な利回り(年率)が8.86%と計算されました。
下のグラフの一番右(30年目)にカーソルを当ててみましょう。
元金1,080万円、運用収益3,927万円と出ます。
運用益で3,927万円増やすというなかなかのプランですね。
利回り(年率)は現実的なのか
ここで先ほどの利回り(年率)8.86%は現実的なのかを考えます。
運用する資産として主要なものは、通常、株式、債券、不動産になります。
この中で利回りが一番高く出るのは、株式になります。
株式運用の場合、個別株ではなく、分散されたインデックスの指数を使いますので、インデックスではとても8.86%を30年続けるのは難しいかもしれません。
では何%が適当なのか。
ここで株式投資の本として有名なジェレミー・シーゲルさんの「株式投資」をみてみましょう。
この中で、「過去200年間の米国株の実質利回りは複利ベースで年率平均7%を維持してきた」と書いてあります。
インデックス株式投資で8.9%の利回りは非現実的だとわかると思います。
資産形成プランを修正してみる
では、資産形成プランを修正してみましょう。
想定利回りを下げないといけないので、毎月の積立額を増やしましょう。
目安は今回の新NISAが最大利用できるところということで、月5万円で設定します。
新NISAは1,800万円の総枠なので、月5万円✖️12ヶ月✖️30年間=1,800万円 と計算しました。
給与も年々上がっていくことも加味すると、最初苦しくても節約してなんとかやれるのではないかと思います。
では、以下の通り入力してみて下さい。
結果はリターン(年率)6.12%と出ました。
このリターンの想定であれば、インデックスの株式投資で現実的な水準かと思います。元金1,800万円、運用収益3,204万円となり目標の5,000万円は達成できる想定です。
自分に合った資産形成プランを立ててみる
今回は資産形成プランの立て方を説明しました。
これはあくまで一つのシミュレーションなので、まずは自分に合った資産形成プランを立ててみることが重要です。
是非、色々シミュレーションして、考えてみて下さい。
資産形成を始めるにあたってはこのプランを考えることが本当に大事です。