前回、つみたてNISAの商品は、投資信託で、対象資産は単一資産の株式を選択しようと考えました。
それでは今回は、株式の対象は国内株にするか海外株にするか、先進国にするか新興国にするか、考えてみましょう。
前回と同様の表になりますが、下記は金融庁で認められている2022年12月21日時点のつみたてNISAの対象商品です。
全部で217銘柄あります。
指定インデックス投資信託 | 単一指数(株式型) | 国内型 | 38 | TOPIX | 13 |
日経平均株価 | 20 | ||||
JPX日経インデックス400 | 5 | ||||
海外型 | 58 | MSCI ACWI Index | 10 | ||
FTSE Global All Cap Index | 4 | ||||
MSCI World Index(MSCIコクサイ・インデックス) |
18 | ||||
FTSE Developed All Cap Index | 1 | ||||
S&P500 | 11 | ||||
CRSP U.S. Total Market Index | 2 | ||||
MSCI Emerging Markets Index | 10 | ||||
FTSE Emerging Index | 1 | ||||
FTSE RAFI Emerging Index | 1 | ||||
複数指数(バランス型) | 国内型 | 4 | 2指数 | 2 | |
3指数 | 2 | ||||
海外型 | 86 | 2指数 | 5 | ||
3指数 | 4 | ||||
4指数 | 21 | ||||
5指数 | 2 | ||||
6指数 | 17 | ||||
7指数 | 7 | ||||
8指数 | 30 | ||||
アクティブ運用投資信託等 | - | 国内型 | 7 | 株式 | 6 |
株式及び公社債 | 1 | ||||
海外型 | 17 | 株式 | 7 | ||
株式及び公社債 | 5 | ||||
株式及びREIT | 1 | ||||
株式、公社債 及びREIT |
4 | ||||
上場株式投資信託(ETF) | - | 国内型 | 3 | TOPIX | 1 |
日経平均株価 | 1 | ||||
JPX日経インデックス400 | 1 | ||||
海外型 | 4 | MSCI ACWI Index | 1 | ||
MSCI World Index(MSCIコクサイ・インデックス) | 1 | ||||
S&P500 | 1 | ||||
MSCI Emerging Markets Index | 1 | ||||
合計 | - | - | 217 | - | 217 |
世界の株式市場の規模
株式市場の規模は、その株式市場に上場している企業の時価総額(株価✖️株数)の合計となります。ちなみに世界の株式市場の上場企業数はざっくり48,000社ほど。
では、世界の株式市場の時価総額(2022年11月時点)をみてみましょう。
先進国のシェアが90%と高く、中でも米国のシェアが60.7%と圧倒的。
日本の株式市場の規模は全世界のたった6.2%と小さいですね。
- 全世界59.4兆ドル
- 先進国53.3兆ドル(シェア90%)
- 新興国6兆ドル(10%)
(国別の内訳)
- 米国35.7兆ドル(60.7%)
- 日本3.6兆円(6.2%)
- イギリス2.4兆ドル(4.1%)
- 中国2兆ドル(3.4%)
- フランス1.6兆ドル(2.8%)
株式市場のリターン
次にリターンをみてみましょう。
株式のリターン(個別)は、その株式を発行している企業の業績に連動します。
当然ながら、成長が期待できる企業の株式のリターンは高くなります。
株式市場のリターンは、その市場に上場している企業群の業績に連動しますが、その企業群の業績はその国や地域等の経済成長におよそ連動します。
例えば、日本経済の成長率が高くなれば、日本の企業群の業績が良くなり、日本の株式市場のリターンも高くなります。
では、国別の経済成長率の推移をみてみましょう。(名目)
(出所:成長しない日本のGDP、停滞の20年で米国は日本の4倍、中国は3倍の規模に:「ファクト」から考える中小製造業の生きる道(2)(3/3 ページ) - MONOist)
上の図で見ると、日本は成長していないのが良くわかると思います。(これはインフレ率も加味した名目値なので、デフレの日本は成長していません。ちなみに株式市場のリターンは名目値で見るのが正しいです。)
あと、新興国の中国の成長が凄いということでしょうか。
アメリカ、イギリス、カナダは高い成長を継続していますね。
ユーロ圏の大国であるドイツ、フランスはそれに比べ成長率は低いなという感じです。
どこの市場を選択すべきか
まずは、株式市場の規模も大きく、高い経済成長を実現できそうな米国市場は外せないということです。
特に、米国は株式市場の中心ですから、例えばイギリス、カナダなど世界の名だたるグローバル企業も米国に上場しているので、新興国の高い経済成長率も享受できます。
次に、日本の株式市場だけに頼るのは厳しいということです。
これまでの低成長、今後の国内の人口減少から考えて、なかなか高い経済成長を見通せないからです。
日経平均株価やTOPIXに連動した投信だけ買っていたら厳しいということです。
組み入れるにしても、組入比率は日本の株式市場時価総額シェアに応じて6%程度までではないでしょうか。
次に、新興国は組み入れるべきかということですが、新興国は経済成長率は高いですが、その分中国のようにリスクも存在します。
新興国をもし組み入れるのなら、リスクを抑えるため、組入比率は株式市場時価総額のシェアに応じて10%くらいに下げるべきです。
ということで、どこの市場を選択すべきかということについては、米国株式市場が本命なので、米国株式市場のみという選択か、より株式リターンを望むなら新興国もそのシェアに応じて組み入れるかという選択かと思います。