では、続きです。
「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の目論見書を見ながら詳細内容を確認していきましょう。
2022年12月末時点の目論見書のリンクはこちら
【P3】
既定のリスク説明のページなので、割愛します。
【P4】
左のグラフは、ベンチマークであるFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス の各月の年間騰落率(基準価格の変化率)と当ファンドの各月の年間騰落率の推移をグラフ化(右軸の%表示)しています(2017年6月〜2022年5月の過去5年間)。
各月の年間騰落率というのは、各月末における直近1年間の騰落率を表します。
ゼロより下に突き出ているのが、マイナスの月で、8回ほどあります。最低の月で-13.2%というところでしょうか。
最高に上昇したのは、2021年3月で年間58%の上昇となっています。
ちょうど、米国を初め世界中がコロナによる景気対策(財政出動)を打ち出した後でしょう。
右のグラフは、左のグラフのように過去5年間の各月毎の年間騰落率を各資産クラスでそれぞれまとめたものになります。
平均値が各資産のリターン(年間でどのくらい上がるか)を表しており、グラフが上下に長い資産は、ざっくりですが、リスクが大きい資産だとみなされます。
一番左が当該ファンドの運用実績で、平均で15.1%です。
先進国の平均16.9%より低くなっています。
ちなみに米国株式は同時期平均18.5%くらいで最もリターンが高く、この5年は米国株式が世界の株式市場を牽引した5年間であったと思います。
本来は、新興国株式の方が成長する分平均リターンが、米国株式や先進国株式を上回ってもいいところですが、この5年は新興国株式のパフォーマンスは悪く、想定と異なる結果でした。
【P5】
目論見書の基準日:2022年5月31日
【設定日】
設定日は2017年12月からなので、既に5年は経過しており、長期で運用できていることがわかります。
【基準価格】
15,654円(基準日時点)
ちなみにこの基準価格は株価ではないので、他の銘柄と比べることは意味がありません。
全てのファンドは基準価格10,000円からスタートします。
この基準価格が高い方がパフォーマンスが良いファンドということではありませんので、勘違いしないようにして下さい。良く勘違いしている人を見かけます。
【純資産総額】
597.1億円
これはファンドの残高になります。
この残高が多いほど、人気があり、資金が流入しているとみなすことができます。
ファンド設定から5年ほど経っていても純資産総額が30億円以下しかなかったら、ファンド自体運営が危ういと思った方が良いと思います。
突然のファンドの償還も有り得るので注意です。
【分配の推移】
ここに1万口あたりの分配金が記載されます。
このファンドは4期決算を実施していますが、分配金はゼロですので、分配はしていません。
【主要な資産の状況(マザーファンド)】
マザーファンドの組入銘柄とその比率が記載されています。
記載の比率でバンガード社及びステート社のETFに投資されています。
【年間収益率の推移】
2013年から記載されていますが、2016年より前はまだファンドが開始されていないので、ベンチマークの年間収益率を表しています。
2017年からは当該ファンドの年間収益率になります。
以下で「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の収益率と「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」の収益率を比較すると、2020年までは全米株式の方が毎年上回っていました。
2021年は全世界株式が全米株式を上回っています。
2022年はこの目論見書には途中までの収益率しか出ていませんが、直近の資料を見ると、2022年のパフォーマンスは、全世界株式-5.24% 、全米株式-7.66%となっており、2022年も全世界株式の方がパフォーマンスが良い結果となっています。
米国株式市場は、2020年まで世界を牽引して上昇してきただけに、その分、近年のインフレ、利上げなどでの落ち込みが大きかったようです。
【SBI・V・全米株式インデックス・ファンド】
続きは目論見書を読み解く③で。