2023年3月10日、急に米国のシリコンバレー銀行が破綻しました。
米国では、銀行が破綻しても、一定の預金額までは、預金が保護されます。
日本ではこの預金保険機構の保護の限度額は1,000万円です。
預金はこのように保護の仕組みがあります。
では、例えば証券会社、銀行などに預けている投資信託は、破綻の時、どうなるのでしょうか?
まずは、投資信託の仕組みを理解しましょう。
以下の図を確認して下さい。
(出所:SMBC日興証券 投資信託とは~投資信託のイロハ~)
この図を見ると、投資信託に関わっているのは、販売会社(証券会社、銀行など)、受託会社(信託銀行)、運用会社(投資信託委託会社)の3社ということがわかります。
それぞれの役目は、図から何となくイメージはできると思います。
ここで重要なのは、実際に預けた資産(投資信託)はどこにあるかです。
見ての通り、受託会社である信託銀行が、保管・管理しています。
よって、ここが破綻しなければ、預けた投資信託は問題ありません。
では、信託銀行が破綻したらどうなるでしょうか?
ここで分別管理という制度を紹介しましょう。
信託財産は、信託銀行の自己資産と分けて管理する分別管理が法律で義務づけられており、信託銀行で保管している信託財産は万が一信託銀行が破たんした場合などでもその信託財産は守られます。
もし、破綻した場合は、信託財産は繰上償還される(その時の時価で投資家に戻す)か、別の信託銀行に移管されます。
別の信託銀行に移管される場合は、運用の継続が可能です。
次に、もし、投資信託の購入資金を証券口座に入金し、取引成立前に販売会社である証券会社が破綻しても、入金額が1,000万円までは日本投資者保護基金により補償されます。
販売会社で銀行に入金した場合は、預金なので、預金保険機構により1,000万円までは補償されます。
もちろん、信託銀行と同じく、証券会社も銀行も顧客から預かった資産の分別管理が義務づけられています。
ここで注意事項です。
ここまで見てきたように、投資信託は「販売会社」「運用会社」「信託銀行」の各機関が破綻しても、投資家の財産は制度的に保護されます。
しかし、破綻時に資産が保全されることと運用成果は別の問題です。
投資信託は、元本保証ではなく、政治・経済情勢や金融市場の動向によって基準価額は日々変動します。
この基準価格(元本)の変動による損失を補償しているわけではありませんので、勘違いしないようにして下さい。
最後に、投資信託は「販売会社」「運用会社」「信託銀行」の各金融機関が破綻しても、投資家の財産は制度的に守られる仕組みになっています。
繰上償還となる可能性はありますが、保有中の投資信託が各金融機関の破綻により、突然、無価値になることは基本的にありません。
今後、金融機関の信用不安が起こった時でも、慌てて解約することがないようにしましょう。