ビッグマック指数から見る日本円の価値と投資戦略

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ビッグマック指数とは

ビッグマック指数(The big mac index:BMI)は、各国・地域におけるビッグマックの平均価格を比較することで、為替レートや物価水準、購買力といった経済状況の比較や把握をしやすくするための指数です。

2024年1月の主要国ビッグマック指数

2024年1月時点の主要先進国のビッグマック指数を表で示します。

主要先進国のみ比較すると以下の表の通りとなります(2024年1月時点、1ドル147.86円)。

順位 国・地域名 ビッグマック指数 (%) 価格 (USドル) 価格 (円) 価格 (現地通貨) 現地通貨名
1 スイス 43.50 8.17 1207 7.10 スイス・フラン
2 ノルウェー 25.50 7.14 1056 75.00 ノルウェー・クローネ
3 ユーロ圏 3.10 5.87 867 5.39 ユーロ
4 スウェーデン 3.10 5.87 867 61.29 スウェーデン・クローナ
5 イギリス 0.36 5.71 844 4.49 イギリス・ポンド
6 デンマーク 0.03 5.69 842 39.00 デンマーク・クローネ
7 アメリカ 0.00 5.69 841 5.69 USドル
8 カナダ -2.40 5.55 821 7.47 カナダ・ドル
9 オーストラリア -10.80 5.08 750 7.70 オーストラリア・ドル
10 中国 -39.00 3.47 513 25.00 人民元
11 日本 -46.50 3.04 450 450.00

主要国の中で最も物価が低く、為替が実力より過小評価されていることがわかります。

スイスが最も物価が高いですが、ビックマックが1207円で日本の3倍近くとはなかなか高価な食べ物ですね。

日本円の購買力平価

ビッグマック指数から購買力平価でドル円の為替レートを算出できます。

購買力平価(PPP)とは、ある国である価格で買える商品が他国ならいくらで買えるかを示す交換レートです。

購買力平価(PPP)の計算:
1ドル = 450円 ÷ 5.69ドル = 79円

現在の為替レート(1ドル = 157円)と比較すると、円安が進行していることがわかります。

ビッグマック指数の注意点

  • 非常に簡略化された指標であり、経済の複雑さを完全には反映していない。
  • 実際の為替レートは、金利差、政治情勢、貿易バランスなど、多くの要因によって影響を受ける。
  • ビッグマック指数は、購買力平価の概念を一般の人にも分かりやすく説明するために作られた指標であり、正確な為替予測ツールとしては使用されていません。

投資戦略への示唆

今回のビックマック指数から改めて感じてほしいことがあります。

ドル円のレートがいくらが適正かはわかりませんが、主要国の中で円の価値が過小評価されていることは間違いないかと思います。

何度もこのブログでも書いているように、円資産のバーゲンセールということです。

 

割安なものに投資をするというのが鉄則です。

ただ、投資するにも長期で保有できるものにすべきです。

割安なビックマックを日本で大量に買っても意味がありません。

今は、世界の株価から割安に放置された日本株(日本企業)を買うのが正解です。

 

世界の投資家が割安な日本株を買い漁っているときに、NISAで米国株を大量に買っている日本人の投資行動は少し違って見えませんか。

最高値を更新している米国株を価値が目減りした日本円で買うには明らかに割高ですよ。