はじめに
自民党の総裁選挙が実施され、石破新総裁が誕生しました。
当初は1回目の投票でリードしていた高市氏に決まるとマーケットも予想していたため、円安、株高に動いていましたが、決選投票で石破氏に決まると、全く逆で、円高、株安に動きました。
下のグラフを見れば一目瞭然でしょう。
高市氏と石破氏の政策の違いは、
減税、積極財政路線(高市氏) vs 増税、緊縮財政路線(石破氏)です。
マーケットもこの政策の違いを織り込んだ動きとなりました。
石破新総裁の政策
経済政策
1. 税制改革
- 金融所得課税の強化を提案
- 法人税と所得税の引き上げの余地があると発言
- ただし、NISA やiDeCoへの課税強化は否定
2. 物価高対策
- 賃金引き上げを重視
- 生活必需品の値上がりや住宅ローン金利上昇への緊急対策を検討
- 電気・ガス代補助の延長には慎重
3. 賃上げ・労働政策
- 下請け法改正案を次期通常国会に提出予定
- 2020年代に最低賃金を全国平均1500円に引き上げる目標
4. 財政健全化
- 2025年度のプライマリーバランス黒字化目標を堅持
5.成長戦略
- デフレ脱却を最優先とした投資を推進
- 地方創生を「日本経済の起爆剤」と位置付け
- デジタル技術を活用した東京一極集中の是正
- 観光産業の振興
6. 組織改革
- 経済財政諮問会議に代わる新組織の創設を検討
7. エネルギー政策
- 原発ゼロから「安定したエネルギー供給」重視へ方針転換
- 地熱や小水力発電の推進、省エネの促進
外交政策
1. 日米同盟強化
- 日米安全保障条約の改定を目指す
- 日米同盟を米英同盟並みに引き上げる方針
2. アジア版NATO構想
- 集団的自衛体制の創設を提唱
- 米国、カナダ、オーストラリア、フィリピン、インド、フランス、イギリス、韓国をパートナーとして想定
3. 核政策
- 米国の核兵器の共有やアジア地域への持ち込みの検討を示唆
4. 日米地位協定
- 改定を検討し、自衛隊のグアム駐留も視野に
5. 対中政策
- 中国は「理性的な対中政策」を望む
- 台湾訪問に対して中国は反対の立場
まとめ
石破新総裁は、安全保障政策のエキスパートを自任しており、特に日米同盟の強化とアジア地域の安全保障体制の構築に重点を置いています。
経済政策では、税制改革や地方創生、賃上げ推進などを掲げていますが、大きな路線は岸田内閣の路線を引き継ぐものと思われます。
高市氏が総裁になれば、岸田内閣からの政策転換が大きかったので、マーケットの期待が高まっていましたが、石破新総裁で決定したことにより、期待もハゲ落ちました。
日本株投資家の立場であれば、高市氏の方が良かったのですが、そうはならなかったので、以前より日本株には厳しい見方をした方が良いのかも知れません。
石破新総裁がどこまで増税、緊縮路線を貫くか次第なので、よく見ていこうと思います。