はじめに
この記事は地政学の専門家ジム・リカーズによるレポートをまとめたものです。
10月10日時点の記事ですが、今世界で起こっている流れを大まかに捉えるためには良い材料です。
この記事によると以下の5点がポイントとなります。
1. BRICS通貨の台頭
ロシア・カザンで10月22-23日BRICS首脳会議が開催され、BRICS間での現地通貨ネットワーク推進が話し合われました。
引き続き継続検討事項になっていますが、この新たな決済システムの導入は、ドル基軸の国際金融システムに変化をもたらす可能性があります。
BRICSの指導者たちが現地通貨ネットワークの推進、米ドルの役割低減を目指す - Bitcoin News
2. 米大統領選挙の行方
11月5日の選挙に向け、トランプ氏とハリス氏の対決構図が鮮明になってきました。
両候補の政策の違いは、経済・外交・移民政策など広範に及び、市場への影響も長期化する可能性があります。
現在優勢であるトランプが勝利した場合でも、民主党はすんなり勝利を認めないため、混乱することが予想されます。
3. FRBの金融政策
9月のFOMCで0.5%の利下げが実施され、今後も利下げ継続が予想されます。
2024年末のFF金利は4.4%、2025年末は3.4%が予想されています。
ただし、これだけでは景気後退を防げない可能性も指摘されています。
それだけ米国経済の状況は悪いということです。
4. 地政学リスクの高まり
ウクライナ情勢は膠着状態が続き、イスラエル・パレスチナ紛争の長期化、台湾を巡る米中の緊張もあり、これらの地政学リスクが市場の不確実性を高めています。
5. 金価格の上昇継続
金価格は一時的な調整を経て、史上最高値を更新。
今後も上昇トレンドが続く可能性が高く、3,000ドルも視野に入ってきました。
上記1-4に記載の通り、BRICS通貨の台頭による米ドルの需要低迷、利下げによる米ドル安、政治不確実性、地政学リスクの高まりにより安全資産としての金の需要が高まっています。
金価格(ドル建て)チャート
投資家へのインプリケーション
米国政治経済の不確実性、世界の地政学リスクの高まりを受け、株式一辺倒のポートフォリオは見直しが必要です。
株式の分散投資の資産として金は有効かと思います。
金資産の組み入れを検討してみて下さい。