「過去最高6兆円の自社株買い」が日本株を下支え

1. はじめに

2024年も終盤を迎える中、日本株市場では年末に向けた上昇が期待されています。

その背景には、過去最高の自社株買いの動きがあり、特に初心者投資家にとって注目すべきタイミングです。

本記事では、この動向とその影響についてわかりやすく解説します。

2. 過去最高の自社株買いとは?

企業が市場から自社の株式を買い戻す「自社株買い」は、株主還元の手段として注目されています。

今年、日本企業はすでに6兆円を超える規模で自社株を買い越し、これは過去最高額です。

買越額はすでに最高だった昨年の約4兆9000億円を上回っています。

この背景には、株主還元を重視するコーポレートガバナンスの改善が挙げられます。

特に、みずほフィナンシャルグループなど大企業が自社株買いや配当増加を発表したことが市場を刺激しました。

3. 自社株買いが株価に与える影響

自社株買いには以下のようなメリットがあります:

  • EPS(1株あたり利益)の向上:流通株式数が減るため、1株あたりの利益が増加します。
  • 株価の下支え:企業が株式を買い取ることで需要が増し、株価を押し上げる力になります。

例えば、大和証券の専門家は「自社株買いは日本株の環境を大きく改善している」と指摘しています。

いちよしアセットマネジメントは、海外投資家の売りを自社株買いが吸収する構図だとし、日経平均は年末にかけて4万2000円、TOPIXは2950ポイントまで上がると予想しています。

現水準から10%ほど上昇する見立てです。

4. 年末高の「掉尾の一振(とうびのいっしん)」とは?

「掉尾の一振」とは、年末に株価が上昇しやすいという相場の経験則を指します。

ブルームバーグが集計した日経平均の過去20年間の平均月間騰落率を見ると、11月と12月はそれぞれ2%超で1、2位を占めています。

この上昇の背景には以下の要因が考えられます:

  • 企業の業績発表が出そろい、投資家の安心感が高まる。
  • 自社株買いが集中しやすい時期である。

この時期をうまく活用することで、投資利益を得るチャンスが広がります。

5. まとめ

2024年は、過去最高の自社株買いが市場を後押しする力強い要因となっています。

ただし、投資環境には依然として不透明感があるため、慎重な姿勢も大切です。

特に年末高の「掉尾の一振」を意識しつつ、自身の投資戦略をしっかり見直す機会としてください。

初心者が投資を始める際には、以下の点に注意しましょう。

  • 分散投資を心がける:1つの企業や業界に偏ることは避けましょう。個別株より日本株インデックスに投資するのが無難でしょう。
  • 経済の不確実性を意識する:今年の場合、米国が年明け政権交代をするので、米国の政治情勢が日本株に影響を与える可能性があるので注意は必要です。
  • 長期的視点を持つ:年末に上昇しやすいとはいえ、この時期だけに集中して資金を投下するのは控えましょう。積立なら、12月のボーナスを利用して、多めに積立をするといったように、過度な集中は控えて、長期的な成長を見据えて投資を行いましょう。