
- 1. 金価格、ついに史上最高値更新
- 2. 背景にある「ドル離れ」と米国の信認低下
- 3. 中国の“国家的ゴールドラッシュ”
- 4. 中央銀行の動きが示す新たな通貨秩序
- 5. 金価格はどこまで上昇するのか
- 6. 投資家が今取るべきスタンス
- まとめ
1. 金価格、ついに史上最高値更新
2025年10月現在、金価格は1オンス=4,000ドルに達し、史上最高値を更新した。
年初からの上昇率は48%を超え、わずか7か月で世界の金融市場に大きな衝撃を与えている。
背景には、米国の政治的混乱(政府シャットダウン)と、新興国による金買い増しがある。
2. 背景にある「ドル離れ」と米国の信認低下
金価格の上昇は、単なるインフレ防衛ではなく、基軸通貨ドルの信頼低下という深層要因に起因する。
2001年の同時多発テロ、2008年のリーマン・ショック、そして2020年代の貿易摩擦と通貨供給拡大。
米国が世界に放出したドルの量は膨大で、各国はその価値に疑念を持ち始めている。
かつて「ドル=安全資産」だった構図が崩れ、「金=新たな安全資産」という潮流が世界を覆いつつある。
3. 中国の“国家的ゴールドラッシュ”
特筆すべきは中国の動きだ。
中国人民銀行は2022年からの3年間で322.6トンの金を買い増し、外貨準備に占める金比率を3.36%から7.64%へと倍増させた。
さらに、政府は2027年までに金・銀の生産量を5%拡大する計画を打ち出し、金鉱山の大規模再編にも着手している。
これにより、中国は「世界最大の金産出国」であると同時に、「最大の金消費国」としての地位を確立した。
4. 中央銀行の動きが示す新たな通貨秩序
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の直近の調査では、95%の中央銀行が今後1年以内に金保有を増やす意向を示している。
米ドル依存からの脱却、すなわち「脱ドル化(de-dollarization)」が現実の流れとなっている。
金はユーロを上回り、世界で2番目に多い中央銀行保有資産に躍進した。
国際通貨体制の重心が、静かにドルから金へと移り始めている。
5. 金価格はどこまで上昇するのか
リヒテンシュタインの資産運用会社インクリメンタムは、2030年までに1オンス=4,800ドルに到達するとの予測を5年前に示していた。
当時は“楽観的”とされたこの見通しが、今では4,800ドルも超えそうな勢いだ。
6. 投資家が今取るべきスタンス
金は6,000年以上前から人類に信頼されてきた普遍的資産であり、通貨システムの転換期にこそ輝きを増す。
ただし、短期的には調整局面もありうるため、資産の一部として分散投資の中に金を組み込むことが望ましい。
世界経済が不確実性を増す今こそ、「現物資産としての金」の意味が再び問われている。
まとめ
金価格の急騰は一過性の現象ではなく、ドル中心の時代が終わりを迎えつつあるサインである。
中国をはじめとする各国の金保有拡大は、新しい国際通貨秩序の幕開けを象徴している。
投資家にとって、これは恐れるべき波ではなく、時代の転換を見極めるチャンスだ。
金価格は高値だから急落するのではないかと考えていたら、いつまでも金に投資できない。
どんな価格であろうが、金はポートフォリオに必須の資産を考えて、強制的にでも組み入れていきましょう。