はじめに
前回の記事では、「米国株式」と「金」を組み合わせたポートフォリオを提案しました。今回は、この2つの資産の相関を具体的なデータで検証してみましょう。
相関の検証方法
データの検証には『myINDEX 資産配分ツール』を使用し、期間は20年間(2005年1月~現在)に設定しました。
これは、リーマンショック時の市場の動きや、それ以降の中央銀行による異例の金融緩和政策を考慮するためです。
20年間の資産別相関を確認すると、米国株式と日本債券の分散効果が最も高く、次いで金が分散効果を発揮しました。
ただし、日本債券の年平均リターンは0.9%(リスク2.1%)と低水準で、ポートフォリオとしての魅力は限定的です。
一方、金の年平均リターンは11.8%(リスク16.6%)と高く、リスク許容度が高い投資家にとっては魅力的な選択肢です。
「米国株式」と「金」の最適配分比率
実際のパフォーマンスを基に、「米国株式」と「金」のポートフォリオ比率を分析しました。以下のシミュレーション結果が参考になります。
- 最適な配分比率
米国株式:40%、金:60%
米国株式:50%、金:50%
これらの比率では、リーマンショック時の下落率は24%~28%に抑えられ、米国株式100%(約50%下落)に比べて安定感があります。
特に、ボラティリティが大きい現代市場においては、リスク・リターン効率を示すシャープレシオの高いこれらの配分が有効です。
まとめ
米国の大変革期における投資環境では、市場のボラティリティが高まることが予想されます。
そのため、「米国株式」と「金」を組み込んだポートフォリオを構築することで、リスク分散効果を高めることが重要です。
資産配分比率は、リスク許容度や目標リターンに応じて上記を参考に設定してください。