はじめに
前回のブログ記事で米国債投資の話をしました。
短期債 か 長期債か どちらに投資するか迷われた場合は、ラダー型投資という投資手法があるので、ご紹介します。
ラダー型投資とは?
ラダー型投資とは、異なる満期日の債券に均等に投資する戦略です。
「ラダー」という名前は、はしごの梯子のように、異なる満期日の債券を並べることから来ています。
例えば、100万円を投資する場合、以下のように分散して購入します:
1年物債券:20万円
2年物債券:20万円
3年物債券:20万円
4年物債券:20万円
5年物債券:20万円
ラダー型投資のメリット
a) 金利変動リスクの軽減
短期から長期まで分散投資することで、金利の上下動による影響を平準化できます。
b) 定期的な現金化
毎年一定額の債券が満期を迎えるため、定期的に資金を確保できます。
c) 再投資の機会
満期を迎えた資金を、その時点の金利で再投資できるため、金利上昇局面でも柔軟に対応できます。
d) 平均利回りの安定化
異なる期間の債券に投資することで、全体の平均利回りが安定します。
ラダー型投資の実践方法
a) 投資期間の決定
通常は3年から10年程度の期間で設定します。
長期であるほど、より高い利回りが期待できますが、資金の固定期間も長くなります。
b) 均等な資金配分
各年限の債券に均等に資金を配分します。これにより、金利上昇時のリスク分散効果が高まります。
c) 定期的な見直し
満期を迎えた債券の再投資時に、全体のバランスを見直します。
d)米国債のイールドカーブの変化
下記の通り、米国債のイールドカーブは、1年前(水色の線)は逆イールドでしたが、FRB議長の利下げ発言後、利下げを織り込み現在(濃ブルーの線)はフラットニングしつつあります。
今後、政策金利(短期金利)の利下げにより、短期を中心にさらに全体の金利が下がっていくことになるでしょう。
こんな時は、ラダー型で投資していると長期債で金利を確保しつつ、全体の利下げの恩恵(債券価格の上昇)を享受することができるでしょう。
まとめ
ラダー型投資は、債券投資におけるリスク管理と安定的なリターン獲得の両立を図る優れた戦略です。
特に現在のイールドカーブの状況、今後の政策金利の方向性(利下げ)を考えると、ラダー型投資は、現在の環境に合った戦略と言えるでしょう。
では、具体的にどのように投資したら良いでしょうか。
色々な年限の米国債を直接購入してラダー型のポートフォリオを組むことは、なかなか面倒ですし、NISAの恩恵も受けることができません。
こんな時こそ、投資信託です。
例えばですが、以下のファンドは、期間15年までの米国債にラダー型で投資するファンドになります。
NISA成長投資枠で投資可能です。
為替リスクあり、なしで商品に違いがありますので、注意して下さい。