なぜ配当貴族指数が人気なのか？安定性と成長のバランスを追求する投資戦略

配当貴族とは、25年以上連続で増配を続けている企業のことを指します。

最近の米国株式市場では、これらの企業で構成される「S&P500配当貴族指数」が注目を集めています。

6月末比で約8%上昇し、ハイテク株が失速する中で存在感を高めています。

配当貴族指数については、以下の過去記事を参考下さい。

配当貴族の最大の魅力は、その安定性と成長性のバランスにあります。

長期にわたって増配を続けられるということは、企業の財務体質が健全で、安定的な収益力を持っていることを示しています。

同時に、増配を続けるということは、企業が成長し続けていることも意味します。

現在、米国経済の先行きに不安が漂う中、投資家たちは安定的な現金創出力を持つ企業に注目しています。

また、金利低下の観測が高まる中、高配当利回り銘柄への資金シフトが起きています

これらの要因が配当貴族の人気を後押ししています。

配当貴族には、アフラック、マクドナルド、ケンビュー、クロロックスなどが含まれます。

これらの企業は、それぞれの市場で強いブランド力や独自性を持ち、景気変動の影響を受けにくい安定した収益力を持っています。

メリット:

デメリット:

配当貴族への投資は、安定性と成長性のバランスを取りつつ、長期的な資産形成を目指す投資家にとって魅力的な選択肢です。

米国の景気後退が鮮明となり、米国をはじめとして世界的に経済環境の不確実性が高まる中、これまで株式相場を牽引してきた「マグニフィセント・セブン」のような大型テクノロジー銘柄は直近高値（7月11日）から約25%ほど下落しています（円建てベース）。

一方で「配当貴族指数」は約5%の下落（円建てベース）で留まっています。

このように、同じ「S&P500指数」に属する銘柄でも、投資する銘柄群によって、これだけのパフォーマンスの違いが見られます。

配当貴族は、単なる高配当株ではなく、持続的な成長と株主還元のバランスを取れる優良企業の集まりです。

こうした企業への投資は、地味ではありますが、長期的な視点で資産を育てたい投資家にとって、有効な選択肢となるでしょう。

特に現在のような不安定な相場環境に適しているのではないでしょうか。