政策保有株式売却で変わる日本株投資 :個人投資家必見のチャンスとは

はじめに

近年、日本企業による政策保有株式の売却が加速しています。

この動きは日本の株式市場に大きな変化をもたらし、個人投資家にとって新たな投資機会を生み出す可能性があります。

本記事では、政策保有株式売却の背景や影響、そして個人投資家にとってのチャンスに

ついて、わかりやすく解説したいと思います。

政策保有株式とは何か

政策保有株式とは、企業が純投資以外の目的で長期的に保有する株式のことです。

主に取引関係の維持・強化や業務提携の円滑化を目的として保有されます。

日本企業では戦後の高度経済成長期から広く普及し、日本的経営の特徴の一つとなっていました。

なぜ政策保有株式の売却が進んでいるのか

政策保有株式の売却が進む背景には、以下の要因があります。

  1. コーポレートガバナンス・コードの導入: 2015年に導入されたコーポレートガバナンス・コードにより、企業は政策保有株式の保有理由を説明することが求められるようになりました。
  2. 機関投資家からの圧力: 国内外の機関投資家が、政策保有株式を非効率的な資本配分だと批判しています。
  3. 資本効率向上の必要性: グローバル競争の激化により、日本企業は資本効率の向上を迫られています。特に取引所の東証からの圧力は相当なものだと考えられます。

政策保有株式売却のメリットとデメリット

メリット: 企業の資本効率向上 、株主還元の強化 、経営の透明性向上 、市場の流動性向上

デメリット: 取引関係への影響、安定株主の減少 、短期的な株価への影響 、配当政策の変更可能性

個人投資家にとってのチャンス

政策保有株式の売却は、個人投資家に以下のようなチャンスをもたらす可能性があります。

  1. 株式の流動性向上: 市場に流通する株式が増えることで、個人投資家にとって株式の売買がしやすくなります。
  2. 企業価値の再評価: 政策保有株式を売却し資本効率を改善した企業の中に、まだ適切に評価されていない割安な銘柄が存在する可能性があります。
  3. 高配当株への投資機会: 政策保有株式の売却資金を原資として増配を行う企業が増える可能性があります。
  4. 成長株への転換: 売却資金を成長投資に振り向ける企業に投資するチャンスがあります。
  5. M&A関連の投資機会: 政策保有株式の売却をきっかけに、業界再編やM&Aが活発化する可能性があります。

政策保有株式売却の具体例

  1. トヨタグループの動き: デンソーやアイシンなど、グループ企業間で政策保有株式の売却が進んでいます。
  2. 旧財閥系企業の取り組み: 三菱電機や三井住友建設など、旧財閥系企業グループでも政策保有株式の売却が進んでいます。
  3. 金融機関の対応: 三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクグループで、2024年3月期の株式売却額は合計約1兆3500億円に達しました。

個人投資家のための銘柄選びのポイント

政策保有株式売却関連の銘柄を選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。

  1. 財務指標の改善: ROE(株主資本利益率)や自己資本比率の改善が見込まれる企業に注目します。
  2. 株主還元策の強化: 増配や自社株買いの拡大を表明している企業をチェックします。
  3. 成長戦略の明確さ: 政策保有株式の売却資金を成長投資に充てる方針を示している企業に注目します。
  4. ガバナンス体制の変化: 社外取締役の増加など、ガバナンス改善に積極的な企業を探します。

今後の日本株市場の展望

政策保有株式の売却が進むことで、日本の株式市場は以下のように変化する可能性があります。

  1. 外国人投資家の評価向上: ガバナンス改善の象徴として捉えられ、日本株への評価が上昇する可能性があります。
  2. 個人投資家の役割増大: 政策保有株主の減少により、個人投資家の議決権行使がより重要になる可能性があります。
  3. 日本企業の競争力向上: 資本効率の改善やイノベーションの促進により、日本企業の国際競争力が向上する可能性があります。

まとめ

政策保有株式の売却は、日本の株式市場に大きな変革をもたらす可能性があります。

この変化は、個人投資家にとって新たな投資機会を意味します。

海外投資家はこのチャンスを虎視眈々を狙っています。

日本の個人投資家にはNISAという強い味方がありますので、このチャンスを逃さないで日本株に投資してきましょう。