日本株、勢いに陰り:その要因と対策

【イントロ】

世界株高の先頭にいた日本株の勢いに陰りが出てきました。

日経平均株価は4~6月に786円(1.9%)安と四半期で2023年7~9月以来の下げとなりました。

3月下旬に史上最高値を更新した後、調整局面が続いている状況です。

今後の日本株の見通しについて考えたいと思います。

【海外投資家の買い控え】

この下落の大きな要因として、海外投資家の買い控えが挙げられます。

2023年後半から2024年初頭にかけて、海外投資家の積極的な買いが日本株高を牽引していましたが、最近ではその勢いが大きく減速しています。

興味深いのは、円安が進行しているにもかかわらず、海外投資家の買いが縮小している点です。

通常、円安は海外投資家にとって日本株を割安に購入できるチャンスとなるため、買いを誘引する要因となります。

しかし、今回はそのような動きが見られていません。


これには以下のような要因が考えられます。

割高感

日経平均が史上最高値を更新したことで、一部の投資家が割高感を感じている可能性があります。

行き過ぎた円安

行き過ぎた円安による輸入物価上昇によって、日本の消費者心理を圧迫し、景気が冷え込むのではないかと感じている可能性があります。

政権の不透明感

岸田政権の内閣支持率が2割代と低迷していることもあり、9月の自民党総裁選で岸田政権が続投できるかどうか不透明に感じている可能性があります。

【今後の展望】

海外投資家は一旦利益確定の売りを出して、買い控えていますが、中長期的に日本株に失望しているわけではありません。

7月に日銀の利上げが控えているので、少し様子見をしたいとの考えもあるのではないかとい思います。

日本企業の業績自体は堅調であり、コーポレートガバナンス改革も進展していますので、企業側は特に変化したわけではありません。

NISAやiDeCoでの日本株買いの資金も定期的に流入してくることから、この資金が下支えとなり、海外売りによる株価の大幅な下落は避けられるのではないでしょうか。

【投資戦略】

このような環境下では、以下のような投資戦略が考えられます。

徐々に買い増し

一気に大きな金額を投資するのではなく、定期的に少額ずつ買い増していく「ドルコスト平均法」を活用することです。

高配当株、割安株に注目

株価がしばらく横ばいだったり、更なる下落を予想するなら、安定した配当収入が得られる銘柄、割安株、あるいはディフェンシブ銘柄へのシフトを検討することです。