S&P500が連日急落し、アメリカ株が失速しています。
下記は、S&P500とVIX指数※の1年間の推移を表したものです。
(※)VIX指数とは、「Volatility Index」の略で、シカゴオプション取引所がS&P500種指数のオプション取引の値動きをもとに算出・公表している指数です。
恐怖指数との呼ばれており、一般的に、この数値が高いほど、投資家が先行きに対して不安を感じているとされます。
(出所:Google)
このVIX指数が昨年の10-11月以来の上昇を見せています。
今回もそうですが、この指数が上昇している時は、S&P500は下落に転じます。
市場は何に不安を感じているのでしょうか。
一つは、中東情勢の緊迫化です。イスラエルとイランが本格的な戦争に発展しないかの心配からきています。
もう一つは、米国の長期金利の上昇です。
3月の米国の小売売上高と消費者物価指数の強い結果を受け、米国の消費が意外に強いということが確認され、10年の米国債金利が昨年10月以来の4.6%まで上昇しています。
ここしばらく、市場は利下げを予想していましたが、米経済が意外と強いので、利下げはないかなという見方に変わってきたようです。
このような予想から、利下げを織り込んで、米国株(特に半導体銘柄)に投資されていた資金が売却され、引き上げられたという流れです。
これまでのように半導体やIT銘柄が牽引してきた相場も一旦は終了した感もあるので、米国株一辺倒のポートフォリオを組んでいる人は見直しが必要なタイミングかもしれません。
金や債券(米国短期国債)などをポートフォリオに組み込んで、米国株のウエイトを落とした方が良さそうです。