金利状況と銀行経営:逆イールドの危険性と円安の可能性

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米地銀リパブリック・ファーストが破綻しました。

総資産は約9,500億円と全米211位の銀行とそれほど大きくない規模であり、かつ公的管理下に置かれ、他の銀行に引き継がれるので、大きな騒ぎにはなっていません。

 

ただ、これは米商業銀行、特に地銀が今の金利状況には耐えられないという予兆だと思います。

 

これは、下記の米国のイールドカーブを見ればよくわかります。

1年前より長期金利が上がったとはいえ、まだ、逆イールドの状況は続いています。

逆イールドは何が困るかというと、商業銀行は短期で資金を集めて中長期で資金を貸出してその利鞘で稼いでいます。

 

この逆イールドの環境下が続くと、その利鞘がマイナスになので、銀行の経営がもたなくなります。

 

では、日本のイールドカーブいかがでしょうか。

綺麗な順イールドになっています。

この状況であれば、銀行は利鞘が稼げます。

ドル円が158円台に入り、日本の為替介入や利上げが叫ばれ始めました。

日銀が政策金利(短期金利)を上げれば、ドル円は円高の方向に振れると思いますが、米国のように逆イールドになると、銀行の貸し渋りが起こったり、経済成長が鈍化して困ったことになります。

 

日銀も利上げには慎重にならざるを得ません。

 

そう考えると、急激な利上げができないので、当面は円安の方向性が続くのではないかと思います。