イントロダクション
日興アセットマネジメントは、新しい投資ファンド「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」を5月16日に市場に導入すると発表しました。
このファンドは、アメリカの大手500社を代表するS&P500インデックスから、時価総額でトップ10の銘柄に特化して投資するというものです。
ファンドのコンセプト
S&P500インデックスは、アメリカ及び全世界の投資家から高い人気を誇ります。
しかし、今回の「Tracers S&P500トップ10インデックス」は一般的なS&P500ファンドと異なり、インデックス内で最も市場価値の高い10社のみに投資を集中する戦略を採用しています。
運用戦略と銘柄の選定
このファンドは、毎年6月に銘柄の見直しを行い、さらに四半期ごとに構成比率の調(リバランス)を実施します。
これにより、選ばれた企業群が市場での競争力を維持しているかを確認し、投資の効率を最大化します。
パフォーマンスの比較
過去10年のデータに基づくと、「Tracers S&P500トップ10インデックス」はS&P500全体のパフォーマンスを大きく上回っています。
銘柄が集中している分、リスク(指数の振れ幅)は大きくなりますが、中長期的に選択されたトップ企業が市場全体よりも高いリターンを生み出しています。
過去10年比較、白:S&P10、ブルー:S&P500
(出所:S&Pグローバル社HP)
投資のメリットとリスク
指数の構成銘柄を確認してみましょう。
IT銘柄のグローバル企業がほとんどを占めています(IT比率55%)。
この構成銘柄だけで、S&P500の時価総額の33%(3分の1)を占めています。
(出所:Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)販売用資料)
トップ10銘柄に集中投資することで、より高いリターンが期待できる一方で、銘柄の集中によるリスクも高まりますが、年に一度の見直しと定期的なリバランスにより、このリスクを管理する試みがなされています。
選択された構成銘柄はグローバルに活躍するリーダー企業で競争優位性もあることから、中長期に保有するのであれば、高いパフォーマンスが狙えるのではないかと思います。
ファンドのコスト
ファンドのコストは非常に低く設定されており、信託報酬率は年率0.10725%(税抜0.0975%)です。販売手数料や信託財産留保額は一切発生しません。
取扱金融機関
このファンドは、イオン銀行、SBI証券、SBI新生銀行、楽天証券、マネックス証券など、複数の主要金融機関で取り扱います。
購入方法と推奨戦略
このファンドはNISAの成長枠を通じてのみ購入可能であり、特に長期的な資産成長を目指す投資家に適しています。
投資のタイミングを分散するために、積立投資をお勧めします。
まとめと締めくくり
「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」は、市場のリーダー企業に集中投資するといった投資戦略を持つファンドです。
単純な戦略ではありますが、世界の株式市場の平均のパフォーマンス以上を目指したい投資家にとっては、大化けはないけれど、ある意味堅い戦略かと思います。
S&P500インデックスで物足らない人が、コストの高いアクティブファンドをあれこれ探すくらいなら、このファンドで十分ではないでしょうか。
是非、参考にしてみて下さい。