10日発表のデータによると、投資信託を経由した個人の対外(海外)証券投資は1〜4月で4兆円を超えました。
2005年以降で同期間として最大です。
これは新NISAで外国株式で運用する投信購入が増えたためです。
月に約1兆円の海外投信を購入するということは、毎月1兆円の円売り海外通貨買いが発生するということです。
通貨の取引量からすればそれほど大きくない金額ですが、この通貨売買は一方向(円売り=円安)である点、積立投資が多いことから年数経てば経つほど積み上がっていく点を考えると、将来的には大きな円安のポジションを占めることになると思われます。
このNISAで円安が進むという関係性を具体的に見てみましょう。
今回のデータによると「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(略称オルカン)は1〜4月の資金純流入額が9,437億円と、国内の公募型投信(除くETF)で最も多いという結果でした。
オルカンの通貨比率は以下の通りです。
(出所:オルカン目論見書より)
例えばオルカンを100万円購入するということは、円の比率が約6%、海外通貨比率が約94%ですので、94万円の円売りが発生するということです。
最も買われる通貨はドル(63%)でドル買いは63万円になります。
後は同様にその通貨の比率分、その通貨が購入されることになります。
いかがでしょうか。
オルカンを買えば円安が進む理由がわかりましたでしょうか。
オルカンの次に人気がある商品といえばS&P500インデックスですが、これは米国株式なので、通貨は100%ドルになります。
S&P500を買えば買うほど、円売りドル買いが増え、円安ドル高が進行するということです。
NISA円安は今はじわり進行していますが、NISAの拡大はこれからですから、今後ますますもこの傾向が強くなるのかと思います。
将来の円安に備えておく必要ありですね。