加速する円高、世界的キャリートレード巻き戻しを主導

はじめに

最近の為替市場で、円高が加速しています。

24日の円相場は対米ドルで一時153円台に突入し、世界的なキャリートレードの巻き戻しを主導する形となりました。

この動きは、メキシコペソからオーストラリアドル、ニュージーランドドルまで幅広い通貨に影響を与えています。

円高の背景

  1. 技術的要因:円は対ドルで3月中旬以来初めて100日移動平均線を突破。155円という心理的な節目も上回りました。
  2. 政治的発言:日本の有力政治家による為替に関する発言や、米トランプ前大統領のコメントが円高に拍車をかけています。
  3. 介入の可能性:11日と12日に日本の通貨当局による為替介入を疑わせる動きがありました。
  4. 金利上昇への期待:投資家の間で日本銀行による追加利上げへの期待が高まっています。

キャリートレードの巻き戻し

長年、円は低金利通貨として、キャリートレード(低金利の通貨を借りて高金利通貨に投資する取引)の資金調達通貨として人気がありました。

日銀の追加利上げの可能性や為替介入の警戒感から、このポジションを解消する動き(キャリートレードの巻き戻し)が出てきています。

キャリートレードが継続されている間は、円売りで円安が続きますが、このポジションを解消する際は、逆に円買いで円高になります。

政治家の発言と市場への影響

河野太郎デジタル相や自民党の茂木敏充幹事長が円安抑制のための金利引き上げを求める発言をしました。

これらの発言は市場の警戒感を強める要因となっています。

また、トランプ前大統領のインタビューでの発言も、将来的なドル安の可能性を示唆し、市場に影響を与えています。

今後の展望

  1. 日銀の動向:31日の日銀金融政策決定会合での利上げ可能性が注目されています。
  2. 債券市場の反応:10年国債利回りは上昇傾向にあり、市場は金利上昇を織り込み始めています。
  3. 専門家の見方:多くの日銀ウォッチャーは7月会合での利上げの可能性を指摘しています。

投資家への示唆

今の円高は、キャリートレードの巻き戻しという一時的な動きの可能性もあります。

結局は、日銀の利上げペースが全てかと思いますので、これから投資を始める方、一括での購入を検討している方は、7月末の日銀の政策金利決定会合を待って状況を確認してからが良いでしょう。

積立投資の人は、このような短期的な動きはあまり気にしないで、当初決めたことを淡々と実行していくことしかないですね。