NYダウが年末にきて年初来高値を推移している。
同時に米国債の価格(長期金利)も年末にかけて急上昇(利回り低下)している。
これは11月に入り、FRBの利上げモードが止まったことで、株式も債券も買いやすくなったということからこの上昇が起こっている。
決して米国経済が力強く回復(実態経済の回復)しているからではなく、米国経済が弱くなりつつあるから、利下げを織り込み、長期金利が下がり、金利負担の緩和を織り込み、株価が回復しているだけである。
このような動きを見ると、今の米国株は力強く買っていく場面ではないかもしれない。
毎月ドルコスト平均法で積み立てをするのなら問題ないが、今一括購入で米国株を多く購入する時ではないと思う。
今、もし一括購入で多く資金を入れるのであれば、短期米国債に注目する。
以下は米国債のイールドカーブである。
1ヶ月前(赤色)に比べ、長期金利が下がっているので、現在(紫)は、以前にも増して逆イールドになっている(短期金利より長期金利が低い)。
逆イールドはあまり起こらない現象であり、短期金利で調達して長期金利で貸出をして収益を上げている銀行が、逆鞘で赤字になる状況である。
これが長引くと銀行の経営が成り立たなくなり、銀行破綻が起きて、金融危機になる恐れがある。
よって、この状況は長引かすわけにはいかない。
このような状況から、今後FRBは短期金利を下げざるを得なくなるであろう。
そうすると、短期米国債が購入されて、短期米国債の価格上昇、短期利回り低下が起こる。
今から短期米国債に投資しておけば、もし金利が下がらなくても5%近くの利回りで運用できるし、債券価格上昇も期待できよう。
短期米国債への投資候補商品はETFになるが、以下のようなものが考えられるであろう。
上場Tracers 米国債0-2年ラダー(H無)-ファンド詳細|投資信託[ウエルスアドバイザー]
iシェアーズ 米国債1-3年-ファンド詳細|投資信託[ウエルスアドバイザー]
両商品とも為替ヘッジがかかっていないので、ドル円の為替リスクを負うことは注意点である。