18日、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時0.815%を付けた。
2013年8月以来、10年2カ月ぶりの高水準で、日本銀行は金利の上昇を抑える処置を行なった。
この長期金利の上昇は、住宅ローンに大きな影響を与えるので、市場で何が起こっているかしっかり把握しておきましょう。
金利上昇と日銀の政策変更
日本の金利を決めているのは、中央銀行の日銀です。
金利の中でも、政策金利と呼ばれる短期金利をコントロールしています。
本来、長期金利は市場に任せており、直接、中央銀行である日銀がコントロールしないのですが、これまでイールドカーブコントロールという異例の手法を用いて、長期金利を低水準にコントロールしてきました。
ただ、世界の長期金利が上昇する中、この長期金利の低利コントロールも限界にきており、この7月に日銀がコントロールを緩める方針としました。
その結果、下記の通り、10年国債金利が急に上昇をし始めているのです。
(出所:ダイヤモンド不動産研究所)
住宅ローン金利と長期金利の連動
この長期金利の上昇は、誰に影響するかというと、通常は主な資金の借り手である企業に影響を与えるのですが、個人の住宅ローン金利にも大きな影響を与えます。
例えば長期で低い金利の住宅ローン固定で借りる場合は、フラット35を利用する場合が多いのですが、このフラット35の35年固定金利は、借入時の10年国債の金利を基準に決まっているので、下記のように連動してフラット35の金利も上昇していくのです。
(出所:ダイヤモンド不動産研究所)
金利変動が及ぼす影響
では、新しく、フラット35のローンを組む人にとって、金利上昇でどれだけ負担が変わるのでしょうか。
3,000万円を借り入れる場合で比べてみましょう。
- 10月金利1.88%の場合:毎月の返済額97,541円、返済利息総額10,967,220円
- 0.5%上昇した場合(金利2.38%):毎月の返済額105,329円(+7,788円)、返済利息総額14,238,180円(+3,270,960円)
日銀の政策変更で短期間で0.5%金利上昇することは十分ありそうですね。
住宅ローン借入戦略の重要性
長期金利上昇が住宅ローンの固定金利にここまで影響を及ぼすとなると、長期金利が上昇すると、なかなか新築の住宅も購入しにくくなります。
一方で、変動金利は短期金利に連動しており、短期金利はそれほど上昇していないので、まだ低利でローンを借り入れることは可能です。
ただ、長期間変動金利で借りると、最初は良いですが、途中から金利が上昇していくと、返済額が増え続け、返せなくなる可能性が出てきます。
住宅ローンは借入金額が大きく、長期で返済するローンなので、この長期に渡る金利見通しとローンの借入戦略(何年固定にするか、固定と変動の割合をどうするかなど)によって、返済総額が大きく変わってきます。
これから住宅を買われたり、借り換えを考えている方は、金利動向をしっかり捉えながら、タイミングも含めて考えていく必要があります。
一生を左右する重要なことなので、シミュレーションをしながら良く戦略を練っていきましょう。
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