マイナス金利解除、日本経済に与える6つの変化



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昨日、日経平均が2%上昇し、36,863円と34年ぶりの高値を付けました。

 

市場の90%は4月までに日銀のマイナス金利が解除されると、警戒感を強めていましたが、内田日銀副総裁の「マイナス金利解除でも緩和維持」との発言から安心感が出て、日本株に買いが入ったようです。

 

今、市場が最も気にしていることは、日銀のマイナス金利解除が日本経済にどういう影響を及ぼすかということかと思います。

 

マイナス金利解除後に起こる変化を少し考えてみましょう。

 

1.預金金利が上がる

これまで5年以上の定期預金の金利中心に上がっていましたが、次は普通預金はじめ短期の金利が上がります。

預金を多く保有する高齢者、富裕層中心に家計が恩恵を受けることになるでしょう。

 

2.住宅ローン金利が上がる

家計において、超低金利の恩恵を最も受けてきたのが、住宅保有者です。

既に長期の固定金利は上昇を始めていますが、変動金利はこれまで動きませんでした。

ただ、今回マイナス金利解除となると、変動金利も上昇を始めて、金利負担が増えることになります。

すぐに大幅に上昇することはありませんが、固定金利への移行タイミングは検討すべきでしょう。

 

3.企業の借入金利が上がる

長期だけでなく、短期の借入金利も上がり、企業の金利負担が増えます。

特に、借入過多の業種、例えば建設業、不動産業、鉱業、電力・ガス、多店舗展開の飲食チェーンなどに影響が出ます。

逆に、企業の金利負担は、銀行の利鞘拡大を意味しますので、銀行は恩恵を受けます。

 

4.株式市場全体に下落圧力が増す

企業全体にとっては、資金調達コストが上がるので、この点においては悪い影響ですので、株価下落圧力が働きます。

ただ、緩やかな金利上昇であれば、緩やかなインフレで経済が活発化していることの表れなので、資金調達コストの上昇を売り上げ拡大で吸収でき、下落圧力を和らげることになります。

参考までに、マイナス金利導入した2016年2月からの株価の動きを見ると、これまで株式市場は、マイナス金利の恩恵を受けてきたことがわかります。

 

 

5.円高が進む

一般的に短期金利を上げると、その通貨は買われますので、円高に進みます。

ただ、あくまで米国や欧州金利との金利差で見る話なので、そう単純ではありません。

米国や欧州は既にかなり利上げをしていますから、日本の少しの利上げであればそれほど大きな影響を与えないように思います。

 

6.日本政府が発行する短期国債の金利が上がる

日本政府は、長期国債だけでなく、短期の国債も発行しています。

この金利負担が増すことで、日本政府の借金が増えます。

借金を増やさないために、おそらく財務省は税金を挙げて、家計に負担を押し付けるでしょう。

 

いかがでしょうか。

 

なんせ、8年ぶりに金利のある世界に変わるということですので、良い意味でも、悪い意味でも、日本経済に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。

 

日本は世界一の債権国で、金利コストの低い資金を世界全体に供給している国なので、日本のみならず、世界経済にも影響を及ぼします。

 

4月の日銀利上げ後を見越してポートフォリオを再度見直していきましょう。