日経の記事にもあるように、現在、バリュー株優位の相場が続いているようです。
「バリュー株」、「グロース株」の違いは投資スタイルにも影響してくるとても重要な情報です。
まず、定義から確認してみましょう。
「バリュー株」とはその名の通り、割安な株のことです。
企業としてある程度成長しており、PERなどの指標において平均的な水準よりも安値で放置されている企業のことを指します。
一般的に、知名度が低かったり、注目を集めていなかったりすることで株価が低い状態にある点が特徴です。
一方、「グロース株」は利益成長の途上にある企業で、高い成長性から株価もそれを織り込んでPERなどからは高めに見える水準にあることが多いです。
投資家からの期待が大きいため、理論上の企業価値よりも株価が高い点がグロース株の特徴です。
グロース株は「成長性」を買い、キャピタルゲインを狙う、バリュー株は「見直されるはずの値幅」や「安定的な配当」を狙って買うことになります。
このバリュー株とグロース株のどちらが優位かを知ることで、相場のトレンドを見極める材料として役立てていくことができます。
以下のグラフで2009年12月末から直近までの流れを見ていきましょう。
(出所:トウシル「日本株でバリュー株優位はいつまで?米国株はグロース優位に」
2024/1/18付 )
2009年末から2015年末までは、グロース株もバリュー株もパラレルに動いており、どちらが優位とは言い難い状況でした。
2016~2020年までは、グロース株好調・バリュー株不振が際立つ展開が続きました。
特にコロナ禍に見舞われた2020年は、飲食、観光などリアル経済が崩壊したことでバリュー株が下がる中、コロナ禍でも好調だったネット関連などグロース株の上昇が続いたため、極端な二極化となりました。
2021年に入り、世界的にインフレが加速し、その抑制のため、各国の政策金利が上昇しました。
日本は政策金利は変えていませんが、中長期の金利がやや上昇を始めました。
この流れを受け、2021年より現在までバリュー株優位の相場が続いています。
このような流れを見てくると、インフレ・金利上昇が続く時は、バリュー株優位となり、インフレ鎮静・金利低下が続く間は、グロース株が優位となる傾向が強いことがわかると思います。
最初の日経記事にもあるように、直近もバリュー株優位の相場が続いています。
これは日銀の政策金利の変更(利上げ)が近づいているサインかもしれません。
今後も日本でバリュー株優位の相場が続くと考えるのであれば、バリュー株指数に連動したインデックスファンドやバリュー株を狙ったアクティブファンドに投資することをお勧めします。
また、個別株で購入するのであれば、トヨタなどの自動車株、金融株、商社株、資源関連株、素材市況株などを物色してみてはいかがでしょうか。