日本の政策金利を決める金融政策決定会合が19日に実施されました。
その結果、現在の政策金利の維持が決定されました。
来年1月には政策変更の可能性があるとの期待もありましたが、政策変更に対する具体的な方針は示されませんでした。
この発表を受け、来年1月の政策変更の見込みは遠のいたと考えられ、金利は低下傾向にあります。
ドル円の為替レートも利上げの期待により円高が進んでいましたが、この発表により利上げの見込みが後退し、円は2円ほど安くなり144円近辺で推移しています。
この市場の動きは、日本銀行の政策よりも、むしろ世界経済の大きな変化に起因していると考えられます。
ここで注目すべきは、米国10年国債の利回りです。
以下のグラフを見て下さい。
(出所:ヤフーファイナンス)
10月20日には5%の金利が付いていましたが、最近になって3.9%まで低下しました。
これは、アメリカのインフレ率が上昇し、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを繰り返していた背景があります。
しかし、最近のインフレ率の低下や経済の停滞を受け、FRBが利下げに転じる可能性が高まっているためです。
米国だけでなく、欧州も同様の状況にあります。
日本では、インフレが落ち着いているため、急いで利上げを行う必要はなく、慎重な様子見の姿勢が取られたと思われます。
この状況により、少なくとも次の金融政策決定会合が行われる4月までは、世界の株式市場が安定して推移する可能性があります。
ただし、15年近く続いた超低金利による株高の時代は、転換点にあると言えます。
今後の長期運用では、株式に偏重するだけでなく、株式と債券、または株式とオルタナティブ資産(例えば金など)の組み合わせたポートフォリオが有効だと考えられます。
1月から始まる新しいNISAでは、この環境変化に適応したポートフォリオ構築を目指していきましょう。