欧州不動産大手シグナの経営破綻とその背後に潜む金融の波紋

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欧州不動産大手のシグナ・ホールディングスが、経営破綻した。

負債額は約50億ユール(約8,000億円)。

 

原因は利上げだ。

欧州政策金利は通貨ユーロを発行しているECB(欧州中央銀行)がコントロールしている。

 

下記のグラフから分かるように、2016年3月から2022年6月まで、6年3ヶ月ゼロ金利を続けてきたが、インフレ(物価上昇)を抑制するために、2022年7月から4.5%まで急激に利上げをした。

 

(出所:外為どっとコム)

 

急激な利上げは経済に悪影響を及ぼす。

特に、借金(負債)を多く抱えている不動産業界は、利上げによる不動産価格下落と借入コストが上昇により、多大な影響を受ける。

 

今回の破綻はその結果である。

 

負債額が大きく、この会社に融資している銀行などにも大きな損失が出ることが予想される。

こうなると、銀行も欧州不動産企業へ貸出がしづらくなり、さらに破綻する企業も出てくるであろう。

 

欧州は、この利上げに耐えうる経済状況でもなく、かなり苦しい状況が続く。

急激に上げた金利を下げていかない限り、不動産価格大幅下落による不況に突入するのではないかと思う。

 

前回も記事で書いたが、この環境の中、海外株式投資を続けていくのであれば、株式と逆相関する金資産をポートフォリオに組み込むことをお勧めする。

 

ちなみに、12月2日、金(ゴールド)の国際価格は2020年8月以来、約3年4カ月ぶりに史上最高値を更新している。

危機に強い金(ゴールド)は、何を暗示しているのだろうか。

 

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