世界経済に大きな変化をもたらす中国からインドへのシフト

 

近年、新興国の成長の中心であった中国の成長が鈍化して、中国への投資が減少傾向にあります。

中国の代わりにネクストチャイナとして、投資が増えてきているのが、インドになります。

 

日本から新興国への株式投資の状況を見ると、以下の通り2023年は中国への投資が減少する一方で、インドへの投資が大幅に増加しています。

保有額も最大になります。

 

(出所:Bloomberg)

 

では、この動きを受けて、直近1年の世界の主要国の株式指数がどのように推移しているのか見てみましょう。

  • BSESN(ブルー)・・・ムンバイSENSEX30(インド株指数)
  • 日経平均(ピンク)・・・日経平均株価225(日本株指数)
  • S&P500(グリーン)・・・S&P500(米国株指数)
  • 香港ハンセン(黄色)・・・香港ハンセン(中国株指数)
  • DAX(紫)・・・DAX(ドイツ株指数)

 

(出所:ヤフーファイナンス)

 

グラフを確認すると、インド株指数が20%上昇する一方で、中国株指数は25%ほど下落しています。

 

中国と蜜月であり、中国経済の影響を受けやすいドイツ株指数は、10%ほど上昇してるとはいえ、日米インドの上昇に比べればわずかな上昇にとどまっています。

 

意外にも1年で最も株価の上昇が大きいのが、日本株であり、その上昇は米国株やインド株を上回っています。

 

中国の消費市場の成長鈍化と米国による中国への貿易規制を受け、中国へ進出していた日本企業が撤退し、生産拠点を日本に移しています。

 

この動きが日本を 再評価する動きに繋がり、円安の恩恵もあって海外からの日本への投資が活発化して、日本株の上昇に繋がっています。

 

このようにネクストチャイナの動きは、直接的には、中国株、インド株の上下動に直結していますが、間接的にはドイツ株、日本株の動きに繋がっているのです。

 

世界の最大の消費マーケットの動向(中国→インド)が、世界経済の構造を大きく変えているということです。