ドルコスト平均法をイメージしよう

資産形成は、長期で毎月一定額の積立投資(ドルコスト平均法)が最適と言われているが、それはなぜでしょうか。

今回はこのドルコスト平均法を実際の投資信託でシミュレーションしてイメージしてみましょう。

買い時売り時の難しさ

結局、投資で勝つには、資産を安く買って高く売ることができれば良いのです。

要は買い時と売り時が重要ということです。特に買い時です。

安く買えば良いと言っても、心理的に価格が下がっている時にはもっと下がるのではないかと思い買えなくて、逆に価格が上がっている時にはもっと上がるのではないかと思い釣られて買ってしまう。

なかなか難しいものです。

 

そこで、タイミングを気にせず、長期に渡って、毎月一定額を機械的に購入すれば購入価格を平均化でき、高値づかみがなくなります。

このやり方をドルコスト平均法と言います。

要は買うタイミングを分散する(時間分散)ということです。

ステート・ストリート 外国株式インデックスでシミュレーション

前提条件

この投信は、日本を除く世界の主要国の株式を投資対象とし、MSCIコクサイ指数(円ベース)の動きに連動したインデックス投信です。MSCIコクサイ指数というのは、グローバル株式投資のベンチマークとして最も有名なものです。

設定は毎月3万円ずつ、2000年1月から2019年12月まで20年間購入することとします。

投資総額は720万円になります。

 

この期間はドットコムバブルの崩壊、リーマンショックと2回の大幅な株価下落が含まれている期間です。

実際にこの期間で投資したけど、大損して株式投資から撤退した方も多いと思います。

では、ドルコスト平均法で積立投資をした結果どうなったか以下で見てみましょう。

シミュレーション(グラフ)

グラフの見方から説明します。

ブルーの折れ線は、この投信のその時点の基準価格(時価)の推移です。(左目盛)

オレンジの折れ線は、この投信に毎月積立購入した場合の平均購入価格(持ち値)です。(左目盛)

緑の棒グラフはその時点の損益(累積)です。(右目盛)

時価(ブルーの折れ線)から持ち値(オレンジの折れ線)を引くと、その時点の損益(緑の棒グラフ)になっているのがわかると思います。

 

2つの赤丸点線で囲まれている2000年〜2002年のドットコムバブル崩壊による株価急落、2007年〜2008年のリーマンショックによる株価急落の時は、損益のマイナスがしばらく続いているところは注目です。

この株価が急落している時に安いからといって、タイミングみて購入することは至難の業です。

普通は、この時まだ下がるのではという不安が働いて購入できません。

 

ところが機械的に定額を毎月購入する積立投資の場合は、不安も何も購入すると決めてますから、どんなに下がろうが、購入し続けます。

この時、緩やかにですが、オレンジの折れ線の平均購入価格が下がっていくのがわかると思います。

この下落時に平均購入価格を下げていくのが、ドルコスト平均法のポイントです。

 

長期投資の場合、世界の株価は右肩上がりになりますので、株価が上向いた時に、平均購入価格が下がっている分利益が出やすいのです。

実際に2012年頃から株価が上昇した際に利益が大きく出続けているのがわかります。

最終結果

結果は以下の表の通りとなりました。

結局720万円の投資で916万円の利益が出ました。

さて、ここで利回りは何%だったのでしょうか。

資産形成のところでも利用した野村アセットマネジメントのシミュレーションで計算してみましょう。

つみたてシミュレーション のむラップ・ファンド|野村アセットマネジメント

 

リターンを計算するを選択し、下記の通り、毎月積立額、投資期間、目標金額(資産残高)を入力して計算ボタンを押すと、

リターン(年率)は、7.58%と計算できました。

 

いかがですか。

実際の投資信託を使ったシミュレーションでドルコスト平均法がイメージできましたでしょうか。