つみたて投資枠で投資する場合は、金融庁が指定した銘柄(ほとんどが低コストのインデックスファンド)から選ぶしかありません。
1,800万円の枠すべてつみたて投資枠で選択した銘柄を購入するという方法もありますが、成長投資枠1,200万円については、インデックス+αのリターンを取りたいものです。
投資対象はリターンが高くなりやすいグローバル株式を選ぶとして、アクティブファンドを選択する方が良いのでしょうか。
アクティブファンドは銘柄を絞り込むものがほどんどですが、その分コストも高くなり、当たりハズレも多くなるので、選ぶのは難しいといったところです。
アクティブファンドまではいかないですが、インデックスファンド+αを狙うようなファンド、つまりアクティブファンドとインデックスファンドの間のような商品もあるので、今回は一つご紹介したいと思います。
これは少しマイナーですが、あおぞら銀行の子会社あおぞら投信から出ている「あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンド 『愛称 : てつさん』 」というファンドです。
ファンドの特色
このファンドの主要投資対象は、世界の株式で新興国の株式を含みます。
全世界の株式に投資する場合、一般的なファンドは、銘柄選択をしなくても良く、コストも低く抑え安いインデックスファンドになります。
全世界株式だと、以前もご紹介した代表的なインデックスである下記のMSCI やFTSEに連動させたファンドです。
このようなインデックスファンドは、時価総額加重されており、大型の成長株に比重がかかりこのカテゴリの影響を受けやすい構造になります。
今回の「てつさん」は、時価総額加重された通常の市場インデックスから脱却し、より高い収益を目指そうという運用手法です。
一般的な市場インデックスに比べ、成長より割安に、大型より小型株に比重を置いて運用になります。
また、運用担当者がリサーチ等に基づいてボトムアップで銘柄を選択するアクティブ運用ではないので、運用コストが比較的低く抑えられるという特徴があります。
運用会社
米国のディメンショナルというここ10年ほどで大きく運用資産を増やしてきた注目の会社です。
この会社のファンドに投資する投信は、日本ではあおぞら投信でしか扱っていないようです。
銘柄数
投資銘柄数は、先進国8,400銘柄、新興国2,800銘柄で計11,200銘柄になります。
この投資銘柄数は日本にある数多くのファンドの中で、最大級の銘柄数になると思います。
全世界の株式の隅々まで幅広く分散投資しているイメージです。
ちなみに投資対象国のシェアは上から、米国54%、中国6%、日本6%となります。
コスト
販売手数料はネット証券だとゼロです。
信託報酬0.84%、経費率0.78%で、インデックスファンドより高めですが、アクティブファンドより低いといった設定です。
信託財産留保額(解約手数料)はゼロです。
実績
以下の通り、SBI・全世界株式インデックス・ファンドと比較しました。
大きくパフォーマンスは変わりませんが、直近1年の下げ相場では、「てつさん」の方がパフォーマンスが良くなっています。
まとめ
この「てつさん」は、純資産が16億円と少ないので、つみたて投資枠の銘柄には入らないので、成長投資枠で利用することになると思います。
全世界のグローバル株式に投資するファンドを多くありますが、銘柄数がここまで多く、割安、小型株に比重をかけたファンドは珍しいです。
これだけの銘柄数を管理して手間をかけている割には、コストは安いと思います。
通常のインデックスファンドは、成長大型株重視の構造ですので、これまでの上げ相場では問題ないパフォーマンスを出してきましたが、これからの全世界的な景気後退局面相場では、株式投資は割安、小型というところにも比重をかけた方がパフォーマンスが良くなるかもしれません。
実際にこの1年ではその結果が出ています。
成長投資枠の投資銘柄の一つとして、考えてみてはいかがでしょうか。