インフレ対策の切り札、ゴールド

前回は日本のインフレ(物価上昇)の話題でした。

「将来のインフレ(物価上昇)に備えて、インフレに強い資産、株式、不動産などで資産を運用すると良い、現金、預金などで保有すると、インフレ(物価上昇)に勝てません」という話をしました。

今回は、インフレ対策の切り札、ゴールド(金)の話です。

インフレとは

インフレとは正確にいうと、通貨価値の下落のことです。

よくハイパーインフレという話を聞きますね。

写真を見て下さい。2008年にジンバブエという国でハイパーインフレが起こりました。

ジンバブエ・ドルという法定通貨の価値が下落して、インフレ率は年率2億3,100万%。

日々、通貨が下落するので、レストランで食事代したり、日用品を購入するにも、写真のように多くの紙幣を持っていかないといけない。

そもそも毎日価値が大きく下落する通貨は誰も信用しないので、早く紙幣を物に替えないと、価値がなくなってしまいます。

こんな状態になると、そもそも経済が混乱しているので、その国の株式や不動産を保有しても、インフレの対策にはなりません。ほとんど戦時下と同じです。

こんな時、みんなが最も欲しがるものは何かというと・・・そうです、金(ゴールド)です。

中央銀行と金

金は昔金本位制といって、 各国の中央銀行が発行した通貨と同額の金を保有し、いつでも相互に交換することを保証する制度がありました。

このように通貨の価値を保つために、中央銀行はその価値を金で保証していました。

それほど金は世界中の誰にでも信頼されているということです。

今は金本位制を取る国は無くなっていますが、各国の中央銀行は今でもその通貨の信用を保つため、一定量の金を保有しています。

下の表は中央銀行の金の購入量と金の国際価格の推移です。

リーマンショック以降、中央銀行はひたすら金を購入しているのがわかります。

直近は急激に購入量が増加しています。

これは急激なインフレが進んでいるということを表してます。

インフレ対策

さて、日本の円もこれから価値がなくなりハイパーインフレが来るのでしょうか。

日本で戦争が起こり焼け野原にならない限りそんなことはありません。

では、インフレ対策として、金を保有した方が良いのでしょうか。

これから資産形成をする人には必要ありません。株式で十分です。

多くの資産を保有していて、長期的なインフレや戦争などの地政学リスク、世界経済の混乱を予想している方には、資産を守るという意味で金の保有をおすすめします。

資産を増やすたもの投資ではなく、資産を守るたもの投資と位置付けて下さい。

金を購入するには?

現物の金を買って、実際に保有したいなら、田中貴金属工業などで購入すると良いでしょう。

金価格によるインフレヘッジ(インフレ対策)だけの効果を得たいのであれば、金価格に連動する投資信託を購入する方法があります。

以下の投信の月報を参考にして下さい。

信託報酬も0.5%と低く、一般NISAでも利用できます。信託期間も無制限なので、新NISAの成長枠でも採用されると思われます。

BlackRock「iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)」

多くの資産をお持ちの方は、インフレから資産を守るために、金価格に連動した投信を購入する方法もあるので、参考にして下さい。