日本では、現在約6,000本の投信・ETFのファンドが存在する。
うち、新NISAで利用できるファンドは、つみたて投資枠の銘柄候補が245本、成長投資枠候補銘柄が約2,000本の予定だ。
新NISAでは、この中から投資するファンドを選定することになるが、前回同様スクリーニングのポイントを確認しようと思う。
まずは、前回は最も重要なポイントである10年間リターンの確認から行ったが、今回は次のポイントである10年シャープレシオを確認しようと思う。
シャープレシオがわからない方は、こちらのリンクを参照下さい。
シャープ・レシオとは?計算方法や見方を分かりやすく解説|フィデリティ証券
(出所:ウエルス・アドバイザー)
10位までランクインしたものは、全て株式ファンドであった。
赤枠で囲った3位、4位、8位、9位は、前回の10年間リターンのランキングトップ10にはランキングしていないが、シャープレシオのランキングで新しくランクインした。
うち、3つが日本株のファンドで1つが米国株(S&P500)のファンド。
シャープレシオが高いファンドは、必ず株式ファンドかというと、そうでもない。
参考までに一番下にシャープレシオで20位以内に入った「ダイワ・ライフ・バランス30」を掲載したが、株式ファンドではないので、利回りが4.49%しかないにもかかわらず、シャープレシオ0.92と効率の良い運用結果となっている。
想定利回りがもし4〜5%であったなら、今回10位以内にランクインした株式ファンド(利回り15%超)を選択しなくても、このバランスファンドで十分ではないかと思う。
前回、スクリーニングのポイントで、最初に10年リターンを確認すると良いと書いたが、リターンが高ければ良いのではなく、運用計画の中で、想定するリターンに合った銘柄を選ぶのが重要ということだ。
想定するリターンに合った銘柄の中で、次に確認すべきは、シャープレシオという順番。
同じリターンであれば、もちろん、シャープレシオが高い方が良い。
リスクをできるだけ低くして、同じリターンを実現しているからである。
スクリーニングのポイントをまとめると、以下のような流れとなる。
- 想定利回りの水準に合った銘柄群を見つける(10〜20銘柄)。
- その銘柄群の中で、シャープレシオができるだけ高い銘柄を5銘柄ほどピックアップする。
- ピックアップした銘柄にネガティブチェックかけて、候補を2つに絞り込む。
- 最後にこの2銘柄のうち、どちらにどれだけ投資するか、その配分も含めて決定する。
最後に2銘柄に絞り込んだのは、1銘柄だと最初からずっと100%その銘柄に依存し続けるということが決断できない可能性があるからだ。
2銘柄あれば、例えば50%ずつ投資して、1年くらい経ったところで、成績などを見て、気に入った方に投資資産を多く配分したり、1銘柄に絞り込んだり見直しが可能だ。
経験上、3銘柄以上あると管理が難しくなるので、初心者には2銘柄までとしておきたい。
以上、参考になりましたでしょうか。