日本では、現在約6,000本の投信・ETFのファンドが存在する。
うち、新NISAで利用できるファンドは、つみたて投資枠の銘柄候補が245本、成長投資枠候補銘柄が約2,000本の予定だ。
つみたて投資枠の候補銘柄は、現在つみたてNISA対象銘柄がそのまま採用される見通し。
一方、成長投資枠は現在約1,300本が公表されており、2023年12月19日までに残り全て公表される見通し。
この中から新NISAで投資する商品を探していくのは、銘柄数が多すぎて至難の技だ。
そこでいくつか銘柄選びのスクリーニングのポイントをまとめていこうと思う。
まずはリターン、特にNISA活用は長期投資になるので、10年のリターンで判断すると良い。
参考までに、以下に2023年6月30日時点のリターンのランキングを掲載する。
(出所:ウエルス・アドバイザー)
結果、当然ながら、10位まで全て株式ファンドで占めている。
リターンを取りたいなら、株式ファンドでの投資が必須である。
個別でみていくと、
この10年の市場の成長に併せて、テクノロジー系(半導体含む)の株式ファンドが強かった。
(1位、6位、9位、10位)
NASDAQ指数もテクノロジー株式の比率が高いので、同様の動きとなった。
(3位、7位、8位)
5位の「AB・米国成長株投信Bコース(H無) 」は、成長性の高い米国株式から約50銘柄を選定して投資するアクティブファンド。
テクノロジー株式の比率が高く、パフォーマンスを支えた。
2位の「DIAM 新興市場日本株ファンド」は、 日本の新興市場株に投資するアクティブファンド。
低成長の日本の株式市場の中でこのパフォーマンスを維持できているということを考えると、ファンドマネージャーが相当優秀であると言えるであろう。
最後に4位の「楽天 日本株トリプル・ブル」であるが、これは日本株式の動きに対して概ね3倍程度の値動きになるように、運用しているファンドだ。
先物取引ででレバレッジもかけており、値動きが大きいファンドで、長期投資ではお勧めしない。
これらの10本のファンドで、「楽天 日本株トリプル・ブル」以外の9本のファンドは全て成長投資枠の発表銘柄に入っており、新NISAでの利用が可能である。
このように、10年間リターンのランキング上位を見てきたが、このリターンだけでファンドを選定するわけではなく、あくまで選定ポイントの一つでしかない。
ただ、リターンは運用の根幹なので、真っ先に確認するポイントと言えよう。
まずは、自分の資産形成で想定するリターンの水準に合った銘柄か否か、ここから確認を始めよう。