国内公募投信を対象として、先週(2023年7月18-21日)の純資金流入額上位10ファンドを確認したところ、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)が2週連続のトップとなった。
「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」の純資金流入額は約187億円。
(出所:ウエルスアドバイザー)
このファンドの月報を見てほしい。
下記の通り、純資産残高の推移を見ると、1999年1月の設定から約22年9カ月後の2021年10月12日に1,000億円に到達。
その後、約11カ月後の2022年9月13日に2,000億円、約4カ月半後の2023年2月1日に3,000億円、約2カ月後の2023年4月4日に4,000億円到達と増加ペースが加速し、4,000億円到達から約1カ月半後の5月中旬に5,000億円台に乗せた。
そして、7月24日現在、7,066億円となっている。
この人気ぶりは目を見張るものがある。
このファンドは、世界の株式から「成長」、「配当」、「割安」の観点で50銘柄を厳選して投資するボトムアップアプローチのアクティブファンドである。
オーソドックスの投資手法で、目新しさは特にない。
注目されるとしたら以下の理由からであろう。
- 毎月分配
- 20年超の実績
- 基準価格が10,000円近辺(パフォーマンスが良い)
最後の基準価格が10,000円近辺というのは、通常のこのような毎月分配型のファンドは、基準価格を大きく下回ることが多い。
毎月分配は本来はその月で儲かった部分を配当すれば良いのだが、儲かった部分以上を配当している(元本を払い戻している)ファンドが多い。
これだと、元本まで配当しているから、どんどん元本が減少してしまい、運用効率が非常に悪くなる。
このファンドの場合、そうはならずに、20年超も毎月分配金を出しながら、元本はほとんど払い戻ししていないことになる珍しいファンドということだ。
現在は毎月150円配当だから、年利約20%(150円✖️12ヶ月➗9,196円)の配当を出していることになる。
このファンドに大きく預ければ、まさしく配当で生活も可能といったところだ。
資産形成が済んで資産取崩しに入っている層のニーズに合致しており、人気になるのも頷ける。
ちなみに、このファンドのこの1年のパフォーマンスは年利回り28%、3年が年利回り25%、インデックスファンドのオールカントリーのパフォーマンスが1年21%、3年23%だから、インデックスファンドを上回る実績を出しているので、安心感もある。
ここで一つ残念なことがある。
このファンドは、毎月分配型ファンドだから、新NISAの対象とならない。
現在の一般NISA(年120万円)では利用可能。
資産取崩しを見据えている人のニーズには合う商品とも思うので、投資したい人は、一般NISAが使える今年のうちにどうぞ。