20年後も米国が成長し続けるのか。
新NISAで長期で積立投資をする場合、この観点は気になりますね。
というのも、現在、オルカンで世界の株式市場に投資する場合、自ずと60%が米国株式市場に投資されるから、米国株式市場の成長に左右されるということかと思います。
米国よりもっと成長して、パフォーマンスが良い国があるのではないかと思ってしまいます。
今、流行りのインド株式ですが、インドなどの新興国はこれから成長するわけだし、当然ながら米国株式市場より伸びる企業が出てきます。
新興国の株式市場のパフォーマンスが米国より良くなるのは、ある意味当然と言えば当然です。
ただ、新興国株式投資の場合、株式指数の動きだけで考えていると、とんでもない罠に陥いります。
以下は、インドの通貨ルピーの対ドルの為替の動きです。
5年間でインドの通貨ルピーは米ドルに対し、16%下落しています。
日本から海外株式に投資する場合、そのパフォーマンスは、株価の変動と為替の変動の掛け算になります。
・米国株式に投資する場合・・・米国株式の価格変動✖️ドル円の変動
・インド株式に投資する場合・・・インド株式の価格変動✖️ルピー円の変動
インド株式価格/米国株式価格 ✖️ ルピー/ドル
例えば、インド株式の価格が米国株式の価格より、1.2倍(20%上昇)になったとしても、ドルよりルピーが0.8倍(20%下落)になったとしたら1.2✖️0.8=0.96 で、円から投資した場合のパフォーマンスは、米国株式もインド株式もほとんど変わらないのです。
米国株式市場より新興国株式市場の企業の方が成長することは、国の成長率をみても明らかだし、イメージは合っていると思います。
ただ、新興国の場合、先ほどの通り、為替の変動も加味しなければなりません。
特にインドルピーはそれほど為替が弱い国ではないですが、為替の弱い国(対ドルで下落が強い)、例えばトルコなどは、注意が必要かと思います。
下記の通り、5年間で対ドルで81%下落しています。
最後にもう一つ、新興国株式は株式も為替も先進国に比べ流動性がありません。
市場が小さいからです。
よって、世界市場の大幅な下落(金融危機など)が起こった場合は、株式も為替も先進国よりかなり大きく下落します。
この変動に耐えられるかということも重要なポイントになります。
まとめです。
新興国株式に投資する場合は、その国の為替の変動も加味すること、流動性の問題も加味すること、この2つが重要なポイントになります。
このリスクをわかった上で、新興国には投資をしましょう。
自ずと、資産の大半を新興国に投資(新興国に集中投資)できないという判断になろうかと思います。