オルカンとS&P500比較、どっちがお勧め?(初心者向け)

1. 導入:インデックス型投資信託の基礎

投資信託には、大きく分けて2つのタイプがあります。

1つはインデックス型、もう1つはアクティブ型です。

 

インデックス型は、日経平均など特定の市場指数に連動するように設計された商品です。

市場全体の平均的なリターンを目指しており、コストが安いのが特徴です。

 

アクティブ型は、市場指数を上回るパフォーマンスを目指す商品です。

運用会社では、良いパフォーマンスを出すために、企業(銘柄)の調査・分析や様々な運用手法を活用しながら、運用を行います。

リスクをとってより良いリターンを目指すため、インデックス型に比べ価格のブレが大きいですし、運用に手間がかかる分コストも高くなります。

 

投資初心者の方には、インデックス型をお勧めします。

 

2.  オール・カントリー・インデックス(オルカン)とは何か

オール・カントリー・インデックス、正式には「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に焦点を当てましょう。

 

このインデックスは、先進国と新興国を含む世界中の株式市場をカバーしており、投資対象としては最も多様性があります。

これに投資することで、世界経済の成長の恩恵を受けることができます。

 

オール・カントリー・インデックスへの投資の魅力は、地域のリスク分散が図れるというところです。

特定の国や地域の経済に依存することなく、世界中の企業の成長に投資できるため、一国の経済が不調でも他の国の好調でそれを補うことができます。

 

注意点としては、特定の国や地域の経済に依存することがないといっても、米国企業の時価総額シェアが約60%を占めるので、米国の経済の影響を強く受けます。

 

3. S&P500とは何か

S&P500は、米国株式市場を代表する指数の一つで、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場および登録されている米国を代表する約500銘柄で構成されています。

この指数への投資は、米国経済の成長に直接関与することができるため、多くの投資家にとって魅力的です。

 

S&P500の大きなメリットは、透明性と流動性の高さにあります。

市場における大手企業の動向は常に注目されており、投資情報も豊富にあります。

また、S&P500に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)も多く、手軽に投資することが可能です。

 

ただし、S&P500への投資は米国市場100%と集中しているため、地域リスクの分散が限られる点に留意が必要です。

米国経済に大きな変動があった場合、投資パフォーマンスに直接影響を受ける可能性があります。

 

4. オール・カントリー・インデックス(オルカン) VS  S&P500:投資先としての比較

パフォーマンスの比較:

下のチャートを見て下さい。

ブルーがS&P500、赤がオルカンです。

 

2003年から2008年頃までは、中国、インドをはじめとしたBRICSの新興国ブームがおきて、新興国株にも一定比率投資するオルカンの方がパフォーマンスは上でした。

 

2014年頃からは、リーマンショックから立ち直った米国経済が成長し、米国一人勝ち状態が続いたことで、S&P500の方がパフォーマンスは上でした。

 

(出所:SBI証券)

リスクの違い:

S&P500への投資は、アメリカ経済への依存度が高いため、地域リスクが集中します。

オルカンは、世界各国の株式に投資することで、地域リスクを分散させることができますが、新興国の政治的リスクや為替リスクにもさらされます。

 

5. 投資戦略:どちらのインデックスに投資するべきか 

投資戦略を決定するにあたり、最も重要なのは、投資リターン、投資期間、リスク許容度を明確にすることです。

求めるリターンはどの程度か、資産を増やすための期間はどれくらいかを考えましょう。

 

米国株式の場合、長期的なリターンは年7%程度と言われてます。

米国株式の割合からして、S&P500、オルカンどちらに投資しても長期的には年7%に近いリターンを得れる可能性があります。

 

投資にはリスクが伴います。

自分でどれだけのリスクが取れるのか、何のリスクなら取れるのかを考えましょう。

ポイントはこれからも米国経済一極集中のリスクを取れるのかどうかかと思います。

 

引き続き、米国経済の成長に集中投資したい場合は、S&P500が適しています。

投資地域を世界に分散したい場合、オルカンが適しています。 

 

6. まとめと提案

オルカンとS&P500は、それぞれ異なる特徴を持ち、投資家の目標に応じて最適な選択肢が変わります。

 

個人的な意見として、投資初心者の方には、世界へ分散投資できるオルカンをお勧めします。

インドを初めとした新興国の台頭もあり、これまでのような米国経済一極集中投資より、世界に分散投資した方がリスク対リターンで安定的なパフォーマンスが上げれるように思うからです。

 

実際に投資をする場合は、長期間積み立てることをお勧めします。

長期間積み立てることで、投資する際の価格変動の影響を受けにくくなり、タイミングを計りながら短期投資するより、結果的にパフォーマンスが高くなります。

 

併せてNISA枠も活用して利益が出た際の税金(約20%)をかからないようにしましょう。

 

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