積み立てするなら、「S&P500」と「全世界株式」のどちらのインデックスが良いかの論争をよく見かける。
過去を検証した記事があったので、確認してみよう。
以下は、毎月1万円ずつ、過去それぞれの年から20年積み立てた場合、20年後の時価がどのくらいになっていたか表したものである。
(出所:10月31日AERAMoney)
結果は、ほぼ「米国株式(S&P500)」が圧勝した。
「米国株式」>「全世界株式」>「日本株式」 という順。
米国株価指数S&P500の1993年から2022年まで(30年)の年間平均リターン(配当込み、円建て)は約12%。
全世界株式は、同じ30年で試算すると約10%。
このリターンを見ても、今回の積み立ての結果は頷けるのではないか。
「S&P500」(米国株100%)vs「全世界株式」(米国株約60%)を考える場合、米国企業の今後の展望をどう考えるかに尽きる。
これまでのように、アップル、アマゾン、グーグル、Facebookをはじめとした米国のグローバル企業が世界を席巻する時代が今後も続くと見れば、「S&P500」で正解だし、米国企業一極集中が崩れると見れば、無難に「全世界株式」が正解であろう。
結論、将来の見通しがつかないのであれば、投資は100点満点を取る必要がないので、手堅く70点くらい取れる「全世界株式」を選択すれば良いと思う。
月1万円(20年で240万円)など少額の積み立てであればこれで良いと思うが、月5万円(20年で1,200万円)など、積み立て元金が多いのであれば、そもそも株式100%で良いか考えて欲しい。
長期積み立てといえども積み立て中盤以降、元金の変動が大きくなってくるからだ。
要は株式急落が起こった時に、気持ちが耐えられなくなるリスクがある。
世界的な株式急落リスクも視野に入れておくのであれば、積み立てといえども少し保守的なポートフォリオを組むと良いであろう。
債券またはオルタナティブ(金など)を20%程度組み込むやや保守的なポートフォリオをお勧めしたい。