(出所:ウエルスアドバイザー)
新NISAがスタートした2024年年始からの投資信託の資金流入状況を見ると、
1月19日までの間、投資信託の資金流入トップは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で2,535億円、
2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で1,495億円となり、
オール・カントリーが人気を集めています。
これはこれまでの傾向とは、異なっています。
これまでは、S&P500が圧倒的に人気でした。
実際に、投資信託の規模を示す純資産総額では、「全世界株式(オール・カントリー)」の2兆1,682億円に対して、
「米国株式(S&P500)」は3兆3,353億円と1兆円以上の差があります。
(1月22日現在)
なぜ、投資家の傾向が変わったのでしょうか?
ここで、この2つの商品のポートフォリオを確認してみましょう。
【投資対象地域】
S&P500 → 米国株式市場のみ対象、米国株式100%
オルカン → 米国株式市場59%、欧州10%、日本5%、新興国10% 他全地域に分散
(以下、参照)
【組入銘柄】
S&P500 → 503銘柄
オルカン → 2,839銘柄
(S&P500)
(オルカン)
いかがでしょうか。
なぜ、オルカンを好むようになったかというと、
単純に言えば、米国株式市場の割高感を感じているということです。
実際に、米国株式市場のPERは20倍なのに対して、新興国を代表する中国株式市場のPERは8倍と、株価の割高感に大きな違いがあります。
そのため、地域分散、銘柄分散を考慮して、より価格下落リスクが小さいと思われるオルカンが好まれるということではないでしょうか。
どちらに投資するにしろ、米国株式市場の割合は大きいので、米国株式市場の動向に影響は受けるでしょう。
どちらに投資する場合にも、投資するタイミングを分ける(積立など)、ポートフォリオを株式100%にしない(資産を分散する)ということに注意しましょう。
(参考)