人気のインデックスファンドといえば、下記の表の通り、米国株式「S&P500」か全世界株式「オール・カントリー(通称オルカン)」ということになりますね。
そこで良く聞かれるのが、下記表で2位の全世界株式「オール・カントリー」と9位の全世界株式「除く日本」のどちらに投資したら良いかという質問です。
では、今回はこの2つのインデックスファンドが何が違うか、比べていきたいと思います。
投資対象国・地域と為替
2つのインデックスの大きな違いは、投資対象国に日本を含んでいるか、含んでいないかです。
「除く日本」の場合は、日本が除かれた分(5.4%)、国で言えば主に米国の比率が3.5%上がっており、地域で言えば新興国の比率も0.7%とわずかながら上がっています。
もう一つの違いは、「除く日本」の場合は、日本が除かれた分(5.4%)、為替のドルの比率(外貨比率)が高まっていることです。
よりドル円の為替のリスク(円高リスク)を受けやすいということになります。
【eMAXIS Slim 全世界株式「オール・カントリー」(以降、オルカン)】
【eMAXIS Slim 全世界株式「除く日本」(以降、除く日本)】
投資銘柄
銘柄数はオルカンが230銘柄ほど多いのと、各上位銘柄のシェアが若干違うくらいで、ほとんど変わらないと言って良いです。
【オルカン】
【除く日本】
パフォーマンス、コスト
以下の表の通り、パフォーマンス、コストともほとんど変わりません。
(出所:ウエルスアドバイザー)
まとめ
「オルカン」と「除く日本」の比較ですが、投資対象国に日本の企業を含めるか含めないかの違いと為替リスクの違い(ドルの比率の違い)がわずかながらあるものの、その他はほとんど変わらないといったところです。
では、何を基準に決めたら良いでしょうか。
これからの日本の成長をどうみるかがポイントです。
これまでの20〜30年、日本はデフレが続き、世界の成長から置いてきぼりになっていました。
世界的にインフレが強くなっている今、日本は他国ほどインフレになっていないので、利上げもせず、世界一低い金利となっています。
急激に利上げを余儀なくされた他国では、借入をしている個人や企業が金利高に苦しんでおり、今後景気が冷え込んでいくでしょう。
その点、低金利のままの日本は優位になります。
海外の投資家や企業は、今、日本への巨額の投資(日本株、不動産、工場など)を初めています。
あの世界一の投資家ウォーレン・バフェットも日本への株式投資を増やしています。
この流れと同様に、日本を強気でみる方は、「オルカン」を選択したら良いでしょう。
いやそれでも、日本より、米国はじめ他国の方が成長するのではと思う人は、「除く日本」を選択したら良いでしょう。
どちらを選択するにしろ、日本のシェアも5.4%とそれほど大きくないことから、結果はそれほど大きくは変わらないと言えます。
この2銘柄の選択で悩むより、毎月積立をして時間分散を徹底する方が、結果に与える影響は大きいと思います。
悩むポイントが違うということです。