地政学リスクの高まりと金価格の長期トレンド



 

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イントロダクション

上記、ロイターの記事も参考からも分かるように、イスラエルがパレスチナ自治区ガサに地上戦を仕掛ける時が近づいており、緊張が高まっている。

マーケット参加者にとって、中東情勢は眼が離せない状況だ。

地政学リスクと資産の安全性

この地政学リスクは、マーケット参加者が資産を安全資産に振り向かざるを得ない状況を作り出している。

この場合、安全資産とは、「米国債(ドル)」や「金」になるだろうが、「金」の方が地政学リスクには最も強い資産といえる。

なぜかというと、米国債の発行体は米国政府だから米国政府の破綻リスクを伴うが、金は実物資産で金そのものに価値があり、発行体リスクはないからである。

長期の金価格推移

ここで長期の金の価格推移を見てみよう。

①〜③の期間の金の上昇が著しいが、これはまさに地政学リスクからを世界的な危機に発展した期間である。

①:まさに今回のような中東戦争が起こって原油価格が跳ね上がった期間

②:911の米同時多発テロから始まり、イラク戦争、アフガン紛争、リーマンショックと続いた期間

③:コロナショックからロシア・ウクライナ紛争、そして今の中東紛争までの期間

 

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金価格の長期的な上昇

金は以前はドルと交換が約束されていた金本位制の時代(1オンス=35ドル)があったが、1971年8月15日のニクソンショックで、米国がドルと金の交換を停止して、それ以降金価格は長期的に上昇を続けている。

特に、地政学リスクで世界的に物価が上昇した時に金価格は急激な上昇を見せている。

 

今の金価格は1オンス=1,932ドルだから、52年で価格は55倍になっている。

年複利利回りで表すと、年8%という結果だ。

投資戦略の変化

これまでの投資戦略については、ここ20年~30年は米国の強い経済が続いたため、米国株・先進国株中心の運用でなんら問題はなかった。

これからも同じ投資戦略で良いだろうか。

ロシア・ウクライナ紛争、中東紛争の世界同時紛争を抱えている状況では、米国株・先進国株一辺倒の運用では、パフォーマンスは厳しくなるのではないかと思う。

金資産のポートフォリオへの組み込み

そこでこれからの時代は、地政学リスクやインフレに強い最強の安全資産「金」を投資に活用することが重要になる。

株式と金は相関性が弱い組み合わせであるから、株式中心のポートフォリオに、「金」を組み込むことで、ポートフォリオのリスクを抑えながら、パフォーマンスの向上は可能ではないかと思う。

この機会に、ポートフォリオに金資産を組み入れることを検討してみてはいかがでしょうか。