インデックスファンド市場の新展開:成長投資枠でも競争激化か

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新NISA開始6カ月で動き

2024年、新しいNISA(少額投資非課税制度)の開始に伴い、インデックスファンド市場が活性化しています。

 

2024年1月11日、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが新たに設定した「SSGA インデックス・シリーズ・ライト」は、低コストで投資家に優しいファンドとして注目を集めています。

 

6月7日には、このシリーズの主要ファンド4本(全世界株式、S&P500、グローバル株式、TOPIX)がNISA「つみたて投資枠」の対象ファンドに登録されました。

 

また、6月10日にはアムンディ・ジャパンの「アムンディ・インデックスシリーズ」3本(オールカントリー大型成長株と高配当株、インド株)がNISA「成長投資枠」に登録されました。

 

さらに、6月12日にはブラックロック・ジャパンの「iシェアーズ Nifty 50 インド株 ETF」が東証に上場し、「成長投資枠」対象のETFとして市場に登場しました。

資金流入の状況

ウェルスアドバイザーによると、2024年5月の国内公募追加型株式投信(ETF除く)の純資金流入額は1兆4,639億円となり、特に「S&P500」や「MSCI ACWI」に連動するファンドが人気です。

 

代表的なファンドの資金流入額(過去6カ月間)

ファンド名 過去6カ月の資金流入額
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 1兆2,536億円
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 9,332億円
楽天・S&P500インデックス・ファンド 1,591億円
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 1,466億円
iFreeNEXT FANG+インデックス 1,225億円
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド 1,223億円
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド 1,149億円

新シリーズの特徴

SSGA インデックス・シリーズ・ライトは、NISA成長枠での購入が可能で、業界最低水準の信託報酬率を設定しています(税込)。

ファンド名 信託報酬率(年率)
ライト全世界株式 0.0748%
ライトS&P500 0.0748%
ライト・グローバル株式 0.0748%
ライトTOPIX 0.1078%
ライト世界国債(隔月分配型) 0.0638%
ライト日本債券(隔月分配型) 0.1078%
ライト米国投資適格社債(隔月分配型) 0.2838%

 

アムンディ・インデックスシリーズは、NISA成長投資枠での購入が可能で「MSCI ACWI」に連動する低コストの新ファンドです(税込)。

ファンド名 信託報酬率(年率)
オールカントリー・高配当株 0.165%
オールカントリー・大型成長株 0.165%
インド株(Nifty50) 0.297%

競争の激化と今後の展望

現在のインデックスファンド市場では、低コストであることに加えてNISA「成長投資枠」の対象であることが重要な要素となっています。

 

代表的なインデックスであれば、「つみたて投資枠」との併用も可能だと、より使いやすくて人気となりますが、「つみたて投資枠」は、相当思い切った手数料設定が必要なため、なかなか参入が難しくなっています。

 

一方、「成長投資枠」の対象であれば、比較的自由な商品提案が可能で、この分野でも「iFreeNEXT FANG+インデックス」のように残高が2,000億円に迫る大型ファンドが出始めています。

 

今後は、「成長投資枠」向けに、これまでにないインデックスを対象にして、低コストのファンドも出てくると思いますので、注目していきたいと思います。