はじめに
今の日本はデフレからインフレへと転換しており、このインフレが進行すると、私たちの大切な資産の価値が目減りしてしまいます。
そんな状況で資産を守るための超安全な方法として、「定期預金」と「物価連動国債」が注目されています。
どちらも比較的リスクが低く、投資初心者にも取り組みやすい選択肢です。
この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく比較し、あなたに最適な選択肢を見つける手助けができればと思います。
1. 定期預金とは?
定期預金は、一定期間お金を銀行に預けることで利息を得られる最もシンプルな資産運用方法です。
メリット:
- 元本が100%保証されている(預金保険制度あり)
- 手続きが簡単で、誰でも始められる
- 必要に応じて中途解約も可能(ただし金利は下がる)
デメリット:
- 現在の低金利環境では利回りが非常に低く、物価上昇に追いつけない(1年0.5%程度)
- インフレ率が金利を上回ると、実質的な資産価値が目減りする
インフレとの関係:
例えば、年0.5%の金利で預けても、インフレ率が2%の場合、実質的には年1.5%の損失になってしまいます。
2. 物価連動国債とは?
物価連動国債は、インフレに応じて元本と利息が変動する国債です。
メリット:
- インフレに連動して元本が増加するため、購買力を維持できる
- 国が発行するため、信用リスクはない(日本政府が破綻しなければ)
- 長期的な資産価値の保全に適している
デメリット:
- デフレ時には元本が減少するリスクがある
- 流動性が低く、中途換金時に損失が出る可能性がある
- 仕組みがやや複雑で、税制面での考慮も必要
インフレとの関係:
インフレ率が2%の場合、元本も2%増加するため、実質的な資産価値を維持できます。
3. 定期預金と物価連動国債の詳細比較
項目 | 定期預金 | 物価連動国債 |
---|---|---|
リスク | 極めて低い | 低い(デフレ時にリスクあり) |
インフレ対策 |
弱い | 強い |
利回り | 固定(現在は低水準) | インフレに連動して変動 |
元本保証 | 完全保証 | インフレ時は実質保証、デフレ時はリスクあり |
流動性 | 高い(中途解約可) | 低い(満期保有が基本) |
税金 | 単純(20.315%の源泉分離課税) | やや複雑(物価上昇分も課税対象) |
最低投資額 | 1円から可能 | 一般的に10万円以上 |
運用期間 | 1ヶ月〜10年程度 | 10年が一般的 |
4. どちらを選ぶべきか?
定期預金が向いている人:
- 短期的な資金運用を考えている
- 元本の安全性を最優先にしたい
- シンプルな商品を好む
- いつでも解約できる柔軟性が必要
物価連動国債が向いている人:
- 長期的な資産価値の保全を重視している
- インフレリスクを強く懸念している
- ある程度の投資知識がある
- 満期まで保有する意志がある
5. まとめ:NISAを活用しよう
定期預金は安全性と流動性に優れていますが、インフレ対策としては弱点があります。
一方、物価連動国債はインフレ対策には強いものの、デフレリスク、流動性の低さ、税金の問題があります。
今回はインフレ対策としての側面に焦点を当てているので、この2つの商品を比較すると、物価連動国債の方がインフレの環境下に合っています。
あと、心配なのは、デメリットの流動性の低さや税金の問題ですが、物価連動国債そのものに投資するのではなく、物価連動国債に投資する投信をNISAの成長投資枠で購入すれば、このデメリットは解決できます。
投信なので、いつでも売却できますし、NISAによって儲けや配当に税金がかからず、面倒な税金の申告手続も必要ありません。
定期預金はNISAが利用できず、利子に約20%の税金がかかるため、この点だけ見てもお得です。
具体的にどんな商品があるかというと、有名どころでは以下の商品になります。
超安全なインフレ対策として、物価連動国債(投信)を検討されてはいかがでしょうか。
定期預金に預けているようでは資産は増えるどころか目減りしますよ。