資産運用はリスクが伴うものですが、この資産運用を安定させるポイントはいくつかあります。
その中でも、個人投資家だからこそできる最大の効果をもたらす方法は、長期投資ではないでしょうか。
機関投資家と言われるプロは、比較的短期間で投資成果を期待されます。
よって、日々市場の動向に注意し、比較的短期でトレードをせざるを得ません。
個人投資家は毎年の決算もなければ、誰かに運用成果を報告する義務もありません。
自分の余裕資金であれば平気で何十年も保有できるのです。
では、なぜ長期投資が資産運用にとって良いのか、実際に見てみましょう。
長期投資のメリットはいくつかありますが、最大のメリットは収益が安定するということではないでしょうか。
特に株式投資は資産の中でもリスクが高い資産なので、この長期投資の効果が顕著に出ます。
具体的に見てみましょう。
以下のグラフは、過去60年間について東京証券取引所1部上場銘柄全体の投資収益(年当たり)を投資期間別に見たものです。
(出所:一般社団法人投資信託協会)
1年投資の場合は最高72.1%、最低ー40.6%ですから、その開きは112.7%になります。一方で、10年投資では最高22.8%、最低ー6.8%の開きに縮まります。
そして40年保有すると最高10.4%、最低でもプラス4.6%ですから開きはわずか5.8%となっています。
この平均からの開き(上下)のことをリスクと言います。
こうしてみてくると、長期になるほど収益が安定化(リスクが小さくなる)しているのがわかります。
これはなぜ成り立つかというと、株式の価値は、その企業の経済活動によって得られた利益等から形成されます。
もし、東証一部の全銘柄が40年間赤字を続けていたら、40年間投資しても株価はプラスにはなりません。
そんなことはあり得ないことで、40年間の中で、赤字の時も少しの期間はあると思いますが、ほとんどが黒字の期間になります。
中には赤字を何十年続ける企業があるかも知れませんが、その企業は株式市場から退場しているでしょう。
長期間投資すれば、ほとんどの企業がほとんどの期間、何らかしらの利益を出していくのです。
このように、長期間投資すれば、企業全体の毎年の利益は安定化していきます。
そうすると、企業の利益は積み上がり、株式価値は上昇していくのです。
感覚的に考えても、短期投資より長期投資の方が安定すると思えるのではないでしょうか。
株式投資をする場合は、長期投資を基本に据えていきましょう。