2月に米商業用不動産ローンの焦付きで、信用不安が噴出していた米大手地銀NYCBは、格下げ等を受けて、更に株価が下落、株価は1月30日の5分の1まで急落しました。
もし、この銀行の破綻が起これば、昨年のシリコンバレー銀行の時のように、米銀全体に取り付け騒ぎが波及しかねない状況でした。
ただ、ここで3月14日にヘッジファンドが救世主として表れ、資本増強し、経営再建に向けて動き出すことになりました。
NYCBの株価も持ち直し、格付けも格上げの方向で検討しているとのことです。
一旦、小休止といったところですが、この米商業用不動産下落に端を発した米銀の不良債権問題は、これで止まるとは思えません。
2024年にはこの米商業用不動産向けローンのうち80兆円が償還を迎えるからです。
まずはこの借り換えに銀行が応じるかという問題と応じたとしても金利がかなり高くなり、オーナーの負担が増えるという問題があります。
どちらにしろ、オーナーが耐えられなくなるのではないかと思われます。
そんな時、銀行がこの損失を被るということになります。
大手銀行ならまだしも、地銀など中堅銀行以下は体力がありません。
今回のNYCBのようなことが起こってもおかしくありません。
米国株全体はこの1年堅調に推移してきましたが、今後は警戒モードでいく方が良いかと思います。
運用する場合は、万が一のためにも、株式だけでなく、金や債券との分散を図りましょう。