(出所:金融庁HP 2023年1月17日時点)
海外株式に続いて海外複合資産型を見ていきましょう。
10個のファンドがありますが、まずは海外及び公社債、株式及びREITを見ていきましょう。
ハッピーエイジングは3種類ありますが、最も株式組入比率が高い(90%)ハッピーエイジング20を選択します。
また、参考までに、海外株式で選択したキャピタル世界株式ファンドも比較に加えました。
【比較表】
(出所:モーニングスター)
上の表はモーニングスターの つみたてNISA対象ファンド一覧 | モーニングスターで右端のチェックを入れて5つのファンドまで比較ができるので、その機能を使っています。
【ファンド概要】
フィデリティ・米国優良株・ファンド
これは米国株式に投資するファンドで現在は約80の企業にフォーカスして投資しています。一部、企業の株式ではなく、REIT(不動産投資信託)という証券にも投資しています。
複合ファンドといっても、株式と債券を分けてリスクを軽減するバランスファンドではなく、実態は専ら株式に投資するアクティブファンドと考えて良いでしょう。
ハッピーエイジング20
国内外株式90%、国内外債券10%の割合で資産を組み入れているファンドです。
現在は国内株式の比率が50%を超えており、新興国は5%程度となっています。
債券を10%組み入れて若干資産を分散させているものの、株式割合が90%なので、積極的な運用をするファンドとみて良いでしょう。
ただ、日本株を中心の運用で世界の成長を牽引する米国株式の比率が小さいのが気になります。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
国内外株式50%、国内外債券50%の割合で資産を組み入れるバランスファンドです。
株式と債券の国別の配分比率は時価総額に応じて決定します。
米国株式、米国債券とも全体の資産の約30%と最大の投資比率になっています。
国内株式5%程度、新興国株式5%程度です。
このファンドは割と守りの姿勢が強いファンドかと思います。
世界経済インデックスF
このファンドも国内外株式50%、国内外債券50%の割合で資産を組み入れるバランスファンドです。
投資する国は、GDPの総額に対するその国の比率に応じて配分するようです。
現在の資産構成比と基本組入比率は、以下の通りで、バランスファンドにしては、新興国の株式や債券の組入比率が高くなっているのが特徴です。
(出所:世界インデックスF月報より)
【トータルリターン】
3年、5年、10年のトータルリターン(年率)を見ると、株式の比率が半分のセゾン・グローバルバランスファンドと世界経済インデックスFは、長期に渡ってリターンが6%を上回っていけるか厳しそうですね。
長期的に6%以上のリターンを求めるなら、株式比率が高いファンドを選択した方が良さそうです。
【シャープレシオ】
この指標は、アクティブファンドの運用力を見るのに重要な指標になります。
取ったリスクに対するリターンのパフォーマンスで効率的な運用ができたかという観点でファンドの運用力を比較します。
単純に数値が高ければ、効率的な運用ができたとみなします。
シャープ・レシオについては、以下のリンクで確認下さい。
シャープ・レシオとは?計算方法や見方を分かりやすく解説|フィデリティ証券
シャープ・レシオは甲乙つけ難いですが、フィデリティが一歩リードですね。
【純資産】
どこも30億円以上の純資産があり、純資産の規模は問題ないと思います。
この純資産が少ないと、ファンドを閉じる可能性があるので、注意です。
【販売手数料】
比較表上は手数料がかかるものがありますが、SBI証券などネット証券で購入すれば販売手数料は無料なので、気にする必要はありません。
【信託報酬及び経費率】
経費率で見ると、フィデリティとハッピーエイジングが高コストです。
この2社は自社グループで調査して投資しているアクティブファンドなので、コストは高めに出ます。
フィデリティの方は、これだけコストをかけるだけあって、トータルリターンで高い実績を出しているので、コスト高は止むを得ないかと思います。
ハッピーエイジングは、コスト高の割にはパフォーマンスが出ていないように思えます。
【選択】
この4つの中から選択するとしたら、フィデリティ・米国優良株・ファンドを選択します。
ポイントはトータルリターンで長期的に6%超えを期待できること、シャープレシオで運用効率が良いことが挙げられます。
次は海外の複合資産型のアクティブファンド残り4銘柄をチェックしていきましょう。