日本の高配当株に個人や機関投資家の資金が向かっている。
日経平均株価が調整する中でも高配当株を集めた指数は上昇基調だ。
日経平均株価を構成する225銘柄の中で、予想配当利回りの高い50銘柄だけに投資するETF(以下)がある。
「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(日経高配50)」
このETFの純資産は初めて1000億円を超えた。
(出所:6月26日付日経新聞)
なぜ、日本は高配当株式に資金が集中しているかと言うと、日本のマーケットは世界からみて状況が異なっているからだ。
以下の棒グラフを見てほしい。
株式の予想利回りが長期金利(10年国債)を上回っているのは、日本だけだ。
他の国の場合、長期金利の方が利回りが高いので、わざわざ株式の価格変動のリスクをとって、株式に投資するより、安全な10年国債に投資した方が良いとの見方が働く。
日本の場合は、株式の予想配当利回りの方がかなり高いので、配当狙いで株式に投資しようと見方が働く。
よって、日本の場合、高配当銘柄に資金が集中するといった状況だ。
(出所:6月26日付日経新聞)
日本は、株主や取引所からの要求の高まりを背景に、配当拡大に前向きな企業が増えている。
日本経済新聞の集計では、3月期企業の24年3月期の配当額は15兆2200億円と過去最大だった23年3月期の実績を約1000億円上回る見通し。
このように、日本の高配当株式投資への好環境が続いているし、海外に比べ出遅れ感はあるので、これから投資するというのも選択肢の一つと思う。
一つ注意が必要なのは、日本の金融緩和の修正であろう。
日本の長期金利が上昇した場合、高配当株式は打撃を受ける。
よって、短期的に考えないで、長期的な視点でコツコツ投資していくことをお勧めする。
あと、日本の高配当株式に集中投資するのは避けましょう。
あくまで国際分散投資が基本です。