先週(7月3日〜7月7日)の売れ筋ファンド上位10銘柄は以下の通り。
売れ筋とは、この期間に購入から解約を引いた純資金流入額が多かったファンドの上位銘柄を指します。
(出所:ウエルスアドバイザー)
eMAXIS SlimシリーズのS&P500、オルカンなど、人気のインデックスファンドが5銘柄、インド株式関連ファンドが3銘柄、グローバル株式の毎月分配型が2銘柄がランクインした。
インデックスファンドやインド株式ファンドについては以前にも記事にしている。
以下参照して下さい。
今回は2銘柄ランクインした毎月分配型投信の話です。
毎月分配型というのは、簡単にいうと、毎月決算をして配当を出すファンドのことです。
はっきりいうと、複利運用でもないし、毎月配当を出すためのコストがかかるので、運用効率が悪いファンドと言えます。
資産形成の方にはお勧めしません。
では、なぜ、人気があるのでしょうか、誰が購入するのでしょうか。
年金のように、毎月一定のキャッシュ(収入)が入るので、高齢者の資産取崩し層に人気があります。
個別株式に投資する人で、配当利回りの高い株式を購入する人がいますね。
そのような配当重視の人が購入します。
例えば、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)を見てみましょう。
このファンドに100万円投資したとします(ネットで購入するので、購入手数料はゼロで計算します)。
現在の基準価格は2,626円なので、何口購入できるかというと、
100万円➗2,626円✖️10,000円=約380万口
毎月の分配金は1万口あたり20円なので、
380万口✖️20円➗10,000円=7,600円
毎月7,600円の配当で年間では、91,200円です。
現在のNISAで購入していれば、税金はかかりません(新NISAの対象からは除外されました)。
100万円購入して年間91,200円の収入だから、利回り計算すると、約9%の利回りになります。
でも、そんなうまい話はないです。
このファンドの基準価格(紫色)を見て下さい。
年々減少しているのがわかるでしょう。
配当は元金(基準価格部分)を運用して出た利益部分を出すのが普通ですが、9%配当を出すのに、利益部分では足りないので、元金からも捻出しているということになります。
運用効率が悪いと言えませんか。
では、このことを知っててか、なぜこんなファンドを購入するのでしょうか。
資産取崩層は、運用して資産を増やしていくニーズではなく、定期的な収入が欲しいというニーズがあるからです。
もし、定期預金に入れておくと、毎月一定のキャッシュフローを作るには、毎月定期を崩していくしかありません。
たいして利息もつかないのに、手続きが面倒ですね。
かといって普通預金だと全く利息がつきません。
そこで、このようなファンドがこのニーズを捉えて、人気になるのです。
このファンドは世界の有名な電気、ガスなど公共性のある会社に投資して、配当は5〜6%得ているので、上下動はあれ、しっかり配当は取れています。
9%まるまる元本から取り崩しているわけではないのです。
まあ、資産形成層の方には全く関係話でしたけど、いろんなニーズがあるんだな、こんな資産取崩しのやり方があるんだなくらいに覚えてていただければと思います。
ちなみに、新NISAの成長枠からは、この毎月分配型ファンドは外されましたので、ご注意下さい。