進むドル離れ、金という選択肢

8月22日〜24日、南アフリカでBRICS首脳会議が開かれる。

BRICSとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国を指す。

これは先進国(日欧米)に対する対抗軸となる国々の集まりだ。

今回このBRICS連盟に22カ国が加盟を申請しており、約30カ国が関心を示している。

 

このBRICS会議が世界で注目され始めているのは、BRICSのうち中国、ロシアが対米で結集することを狙っているからだ。

既に動きが出始めており、中国、ロシア、産油国(サウジアラビアなど)が、外貨準備(いざという時の支払準備)の米国債(ドル)を売却し始めており、ドルの比率が下がってきている(下記グラフ参照)。

世界で基軸通貨のドル離れが進んでいるということだ。

この動きはドル安の流れを生むことになる。

 

これまでは、何かあればドルで支払うということで、ドルは基軸通貨であり、最も信用が高かった。

ただ、今はドルの信用も落ちてきており、ドルの代わりに資金が金に向かっているようだ。

 

下記グラフは、金の小売価格の5年間の推移を表している。

ブルーがドル建ての金価格(右メモリ)、赤が円換算の金価格(左メモリ)である。

ドル建ての金価格は、2018年11月1,200ドルをボトムに現在は1,950ドルに上昇している(62.5%上昇)。

円換算の金価格は、4,500円をボトムに8,800円と96%上昇している。

円換算の金価格の方が上昇しているのは、その間、為替の円安ドル高が進んだからである。

 

何か言いたいかというと、ここ5年は金の需要が強く、金の価格が上昇しており、これはドル離れ(先ほどのグラフ:米ドルの比率の下落)と相関しているということである。

 

 

このようにドル離れが急速に進んでいる中で、代わりに金が購入されている。

米国債(ドル)売却 → 金購入 という流れだ。

BRICSの動きを見ていると、この流れは一時的なものではなく、中長期的な流れのような気がする。

 

このような世界情勢から考えて、これからの投資のポートフォリオは、米国株、米国債一辺倒ではなく、金資産をポートフォリオに組み込むことを検討すべきであろう。