「Cash is loser」 現金最弱時代に備えよ

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23年6月末時点の日本の家計の金融資産は前年同期比4.6%増の2115兆円で過去最高を大幅に更新しました。

この内訳が興味深いです。

現預金の増加率より、株式等、投資信託の増加率が大きくなっています。

これは、預金から株式、投資信託への資産の振替もあるが、日本株の株高等で株式や投資信託等の評価が高くなった要因も大きいと思います。

(日経平均株価3月末約28,000円→6月末約33,000円へ約20%高)

  • 現預金:前年同期比1.4%増の1117兆円
  • 株式等:前年同期比26%増の268兆円
  • 投資信託:前年同期比15.9%増の100兆円

 

ここで、日本の金融資産の構成比率を他国と比べてみよう。

以下の表をみると、日本は欧米に比べ、現金・預金の比率が圧倒的に高い。

(出所:日銀資金循環統計)

 

「Cash is king」という言葉を知ってますか。

現金は王様(最強)だということ、これはデフレ時代に当てはまる言葉です。

デフレの定義をおさらいすると、デフレとはお金の価値がモノの価値よりも大きくなっていく社会です。

この社会では、お金の置き場所として、銀行預金が正しい選択です。

お金を預金して、じっと抱え込んでいるだけで、勝手にお金の価値が上がっていくのがデフレだからです。

 

では、今は何の時代でしょうか。

そうです。インフレ時代です。

インフレはデフレの逆ですから、モノの価値がお金の価値よりも大きくなっていく社会です。

この時代は、現金は最弱になります。「Cash is loser」です。

ガラリと前提が変わると、まったく常識が逆になるわけです。

ということは、お金の置き場として、銀行預金は誤った選択です。

 

先ほどの金融資産の構成比に戻りましょう。

日本の家計の金融資産に占める現金・預金比率は54.2%と他国に比べて圧倒的に高いです。

インフレ時代では、日本の国民は完全な負け組となります。

 

今、NISAの枠等を拡大して、岸田政権(政府)は盛んに貯蓄から投資へを促進しています。

これは、国民に対して、インフレ時代が来るよというメッセージなのだと思います。

 

皆さんもインフレ時代の負け組にならないよう、貯蓄から投資へシフトしていきましょう。

本日のメッセージです。

 

「Cash is loser」 現金最弱時代に備えよ