ドル定期預金で高金利競争が始まっている。
三井住友銀行が9月下旬に年5.3%に引き上げたのがきっかけ。
SBI新生銀行は5日、現在の5.3%から業界最高水準の6%に引き上げ、ソニー銀行も5.3%に上げた。
他のメガバンクでも、これまで0.01%で据え置いてきた三菱UFJ銀行が預金金利の引き上げを選択肢として検討を始めたようだ。
金利が上がることは、投資家にとって嬉しい話であるが、外貨預金には以下のようにいくつかデメリットがあるから、飛びつかないようにしたい。
・元本保証ではない(預金保険制度の対象外)
円定期は元本保証であるが、外貨定期預金は為替による変動があるので、元本保証ではない。
また、預金保険制度の対象外なので、円の定期預金と異なり、銀行破綻時に、1,000万円までの保証はない。
・為替手数料がかかる
例えば、ドル定期預金だと、預入時、円からドルに交換する時、満期になってドルを円に変える時、原則往復で手数料がかかる。
三井住友銀行の場合(優遇条件に当てはまらないと)、片道1円、往復で2円かかる。
1年5.3%で預けても、約1.3%は為替手数料で取られてしまう。
為替手数料は金融機関によっては、かなり優遇しているとこともあるので、よく確認してほしい。
・税金がかかる
金利に対しては、円の定期預金と同様に、利息の約20%を自動的に取られてしまう。
為替の差益に対しては、総合課税されるので、所得税の税率が20%の人なら、儲けの20%の税金が取られてしまう。
原則、確定申告が必要だ。ただし、年収2,000万円以下の給与所得者の方で為替差益を含めた給与所得以外の所得が年間20万円以下の場合は申告不要。
このようなデメリットがあるから、外貨預金は基本お勧めしない。
外貨で運用したいのであれば、投資信託で十分である。
ドルでの運用であれば、米国債ファンドや米国地方債ファンドが良いであろう。
日本の銀行のリスクを取るより、アメリカの国や州のリスクを取った方が安心だし、利回りも外貨預金より高い傾向にある。
また、投資信託だと、外貨預金にはない最大のメリットがある。
NISAが利用できて、為替の差益に対しても、金利に対しても税金がかからないところである。
これが最大の違いではないか。
外貨預金の金利だけ見て飛びつかないで、投資信託とも充分比較しながら運用していきましょう。