日経平均株価の歴史的高値更新
日本の象徴的な株価指標である日経平均株価が39,098円とバブル期の過去最高値38,915円を更新しました(下記グラフ参照)。
この新記録は、バブル崩壊後の「失われた30年」を経て、日本経済の復活を象徴するものとなりました。
日経平均株価の成長軌道
2008年10月27日に記録されたバブル後の最安値7,162円からの驚異的な回復を見せ、約15年4ヶ月で約5.5倍に成長しました。
この成長は、日本経済の底力を示すものであり、多くの投資家にとって注目の的となっています。
日本株上昇の背景
日本株の上昇には、「脱中国」「脱デフレ」「脱預金」という3つの重要な課題の克服が背景にあります。
これらの動きは、日本経済の構造的な変化を示唆しており、長期的な成長への道を開いています。
日本経済の3大課題の克服
脱中国:半導体産業の復活
脱中国とは、最先端半導体製造のアジアの重要拠点が日本に集積してきたことです。
これは安全保障上の問題から、米国、台湾、日本などが中国への最先端半導体の技術流出を懸念し、日本に最先端の半導体製造拠点を設立するために巨額の投資を始めたことによります。
世界最大の半導体受託生産会社であるTSMCが熊本に約3兆円をかけて熊本に工場を設立したのをかわきりに、2029年までに日本国内に約9兆円が投資されます。
このような動きを期待してか、下記のグラフの通り、近年の日本の半導体関連株の上昇率は米国を大きく超えており、日本の株価上昇を牽引しています。
これにより、半導体産業が復活し、株価上昇の一因となっています。
(出所:2月23日付日経新聞)
脱デフレ:賃上げの推進
デフレを脱してインフレになったとしても、賃金が上昇しないと、本格的に経済成長は始まりません。
下のグラフを見て下さい。ようやく賃金が上昇し始めました。
2024年の賃上げ率は約4%と予想されており、これまでの日本経済の一番の課題であった賃上げの流れが変わってきました。
(出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構)
脱預金:新NISAの導入
この2024年1月から始まった新NISAで個人の預貯金から日本株投資へと動き出しています。
この動きは始まったばかりですが、恒久的な制度であり、投資枠も増枠したことで、長期で巨額の資金が今後も日本株に集まってくることでしょう。
日本株に巨額の買い需要、買いの主体はオイルマネーとNISAマネー - NISAで資産形成
まとめ:日本経済の復活に期待
これら3つの課題を克服したことで、日本経済はようやく成長軌道に乗り、失われた30年を取り戻す新たな始まりを迎えています。
日本経済の復活に期待したいところです。