欧米にリッセッション懸念?

 

www.wealthadvisor.co.jp

 

HSBCアセットマネジメントは7月5日、2023年下半期のグローバル投資環境についての自社の見通しを解説する「ミッドイヤー・セミナー」をオンラインで開催した。

 

年央見通しの報告では、「市場は楽観的過ぎる。経済データを分析する限り、米国や欧州はリセッション(景気後退)に陥る可能性が極めて高く、米国では今第4四半期にリセッションに入り、年内にも米FRBは利下げに転じる可能性がある」という見通しを示した。

 

米国はコロナ禍で多くの補助金が出て蓄えられた資金があり、これが消費を押し上げているが、この余剰な貯蓄も剥げ落ちてきており、これから景気指標が悪化していくとのことだ。

 

そして、「米国や欧州など日本を除く先進国株式には慎重な態度で臨むべきだ」と警鐘を鳴らした。

 

一方で、中国やインドをはじめとした新興国には、「これからの市場リーダーになっていく可能性がある」と強気の見通しを示した。

 

これらの予測を織り込むと、株式投資について、先進国では日本のウエイトを高く、先進国と新興国では新興国のウエイトを高くしていけば、短期的には最も高いパフォーマンスを得やすいと考えるのが普通だ。

 

実際に、日本株とインド株は、この状況を既に織り込んで上昇している。

 

ここで長期投資の視点で考えてみよう。

  • 経済は景気拡大、景気後退を繰り返すが、長期的には経済成長は右肩あがりである。
  • 株式市場は経済を表す鏡だから、長期的には、株式市場は右肩があがりである。
  • 世界の株式市場の8割は欧米の株式で占められている。
  • リセッションは1〜2年で終息する。
  • 株式は安く購入できた方が良い。

何が言いたいかというと、長期投資で考える場合、欧米に景気後退が来るのであれば、リセッションの1~2年で欧米株式を安く仕込めるかということが今後のパフォーマンスに大きく影響するということだ。

 

欧米のリセッションが予想されるからと言って、欧米への株式投資をやめたり、ウエイトを下げないでほしい。

株式投資は安く仕込めるということが重要なので、下がっても時間分散で毎月買い続けるという覚悟が必要だ。

 

下げ続ける相場は、耐えられなくなって、売却して投資から離脱する人も多い。

そうなってしまっては資産形成なんか一生できない。

 

リセッションには、積立という時間分散の武器を持って、相場に左右されることなく、淡々と投資を続けていこう。

長い投資経験から考えても、投資は参加し続けることが重要なんだと思う。